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医療・福祉・介護 転職のノウハウ

中高年の転職は大変で時間がかかるイメージがあります。

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はじめに
しかし、介護業界においては中高年であっても十分転職できますし正社員での登用も可能です。

とはいえ、

・ 年齢を考えると現場の仕事はキツいかな・・
・ 介護職としてキャリアアップを見据えて転職を考えたい

という人もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、介護業界に10年以上身をおいているベテラン介護士の立場から、介護職経験のある中高年の転職にオススメの求人を紹介していきます。

中高年でも介護職としてキャリアアップできますし、現場ではなく事務の仕事として貢献することができる仕事もあります。

ぜひご一読ください。

中高年の介護職への転職が難しくない理由

中高年の介護職への転職は他の業界に比べてそれほどハードルは高くありません。
介護職としての勤務経験があれば、転職にさらに有利に働きます。

中高年の介護職への転職がなぜ難しくないのか紹介していきましょう。

圧倒的な売り手市場だから

介護業界は圧倒的な人手不足と言われています。

経済産業省の試算によると、2035年には約79万人の介護人材が不足すると言われています。

79万人というのは、なんと2015年の約20倍。

つまり長期に渡って介護職の人材は不足し続けているし、求められ続けているのです。

2018年の介護関係の有効求人倍率も東京都では6.97倍と、都市部では突出して高くなっています。

そんななかで、厚生労働省も海外の人材の育成や中高年の未経験者などへの介護研修などを通じて、なんとか人材を確保しようとしている状態です。

なので、介護職は他の業界に比べ圧倒的に転職しやすい市場ですし、経験者であれば引く手あまたと言っていいでしょう。

施設が近隣にたくさんあるから

介護職の働く場所は、主に介護施設と、訪問介護であれば利用者の自宅になります。
これは日本全国のどこでも変わることがありません。

東京に会社や案件が集まっているIT業界と違って、介護業界は日本全国介護施設があるところならどこでも働けるというのが強み。

施設に勤務するのであれば、車通勤OKというところも多いです。
中高年の方の自宅の近くにも絶対にいくつか介護施設があるはず。

面接も受けやすいですし自宅から通いやすいところに職場があるというのはとても大きなメリットだと思います。

介護業界の主力は40代から50代である

介護業界は、40代から50代の中高年層の割合がとても多いです。
中高年の方々が支えている業界と言うことができます。

実際、利用者の方々は高齢の人生の先輩方たちですし、20代や30代よりも人生経験が豊富な中高年の方がコミュニケーションも取りやすいです。

転職にあたって、職場の人間関係というのは気になるところ。
介護業界なら同世代の人たちが多く働いているので、利用者だけでなくスタッフ間のコミュニケーションも取りやすいと思います。

未経験可の求人が多いので経験者はさらに転職に有利

介護職はそもそも人手不足。
未経験可でもOKの求人が多いです。

とりあえず人員を確保しておいて働きながらスキルアップできる制度を充実させている施設も多くあります。

経験者であれば、どの施設も喉から手が出るほど欲しいはず。
人手不足が解消されている介護施設はほぼないといっても過言ではありません。

介護職の経験者は安易に妥協せず、より待遇の良い職場を選択していき有利な条件で転職活動をすることができます。

介護職経験者が転職するのにオススメのステップアップ求人4選

介護職経験のある中高年にとって、現場を続けていく上で体力がいつまで持つかということは気になるところではないでしょうか。
夜勤業務などは正直キツいなと思っている人もいるでしょう。

ある程度現場での介護経験のある中高年の方であれば、積極的にキャリアアップとしての転職活動を視野にいれるべきです。

デスクワークとして介護の現場に貢献できる職種も多数あります。

介護職として転職活動をする上で、キャリアアップになるオススメの介護求人を4つに絞って紹介します。

現場とはまた違った能力が求められる仕事ではありますが、収入も上がるし責任のある立場で働くことはやりがいに繋がりますよ。

管理職

介護施設の施設長・ホーム長と呼ばれる求人です。
雇われとはいえ一国一城の主。施設運営の責任者になります。

仕事内容

施設運営の責任者ということで、介護現場の仕事とは全く別の能力が求められます。
特別養護老人ホームなどの社会福祉法人は経営者が施設長を兼務することが多いですが、株式会社の有料老人ホームはその会社の社員がホーム長として勤務することになります。

仕事内容は主にマネジメント業務。
施設の売上管理やスタッフのマネジメントが主な仕事です。

他にも介護保険事業の届け出や行政からの通知に対する対応、消防計画の作成から訓練など運営する上で必要な多くの業務をこなさなければなりません。

施設のトップとしてのリーダーシップも求められます。
大変な仕事ですが、その分大きなやりがいのある仕事と言えるでしょう。

必要な資格

介護施設によって、施設長になるための資格要件が異なります。

特別養護老人ホームの施設長になるには

 (1) 社会福祉主事の要件を満たす者
 (2) 社会福祉事業に2年以上従事した者
 (3) 社会福祉施設長資格認定講習会を受講した者

のいずれかの要件を満たす必要があります。

社会福祉施設長資格認定講習会とは全国社会福祉協議会中央福祉学院が実施する講習のことで、通信講座とスクーリングを経て認定されます。

介護老人保健施設(老健)は原則、医師が施設長になることが多いです。

有料老人ホームやデイサービスセンター、訪問介護事業所や居宅介護支援事業所に関しては無資格でも管理者として登録することができます。

ただし、介護福祉士やケアマネジャーなどの関連する資格は持っておいたほうが説得力があります。

また、先に持っておくと有利なのが防火管理者。
消防署で研修を経て取得できる資格ですが、管理職に着任すると取りに行くように会社から指示が出ると思います。

施設長になりたての頃は忙しくて大変でしょうから、あらかじめ持っておくと手間が省けて管理業務に集中できますよ。

サービス提供責任者

サービス提供責任者はホームヘルパーをまとめあげる監督的な存在。
訪問介護でとても重要な役割を果たします。

仕事内容

サービス提供責任者は通称サ責とも呼ばれていて、ご利用者に提供する訪問介護サービスの計画を立てて、実際に業務を行う訪問介護員の指導と管理をします。

ケアマネジャーと連携して動くことも多く、作成されたケアプランに基づき訪問介護計画書を作成していきます。

サ責の重要な業務の一つは、訪問介護員のマネジメント。
ご利用者にマッチングした訪問介護員を選定しなければならないし、担当している訪問ヘルパーの指導をしたり悩みも聞いてより良いアウトプットを出す手助けをしなければいけません。

担当ヘルパーが急な休みを取ってしまったときは代わりに業務に入らないといけなかったりするところが大変な点ですが、基本的にはデスクワークとしての勤務になります。

必要な資格

サービス提供責任者になるためには色々なルートがあります。

・ 介護福祉士を取得する
・ 実務者研修を終了する

<旧資格の場合>
・ 介護職員基礎研修を修了している
・ ホームヘルパー1級を修了している

2019年4月1日より介護職員初任者研修もしくはホームヘルパー2級を修了者がサ責を担うことを禁じるようになりました。

生活相談員

生活相談員は、介護付き有料老人ホームやショートステイ、デイサービスなどで活躍している職種です。

今回はデイサービスの生活相談員について解説します。

仕事内容

生活相談員はデイサービスの花形職種。
ご利用者やその家族、ケアマネジャーとのやりとりをする窓口の役割を果たします。

正直、デイサービスの生活相談員はなんでも屋です。
お客様との利用契約や通所介護計画書の作成、ケアマネジャーへの営業活動や利用者の送迎など、とにかくなんでもこなす必要があります。

稼働率という指標で収益を図られるデイサービスはなんといっても利用者がたくさん来てくれることが大事。

利用者を引き込むために、生活相談員としての営業力がかなり大きな要素を占めます。
売上にも大きく関わってくる大事な役割を果たす職種です。

必要な資格

生活相談員の要件は自治体によって異なります。
なので自分が働いている自治体に確認する必要があります。

例えば千葉県では

・ 介護支援専門員
・ 介護福祉士
・ 三科目主事(大卒)
・ 社会福祉主事任用資格
・ 社会福祉士
・ 精神保健福祉士

の資格があれば同等の資格として生活相談員を名乗ることが認められています。

東京都では

・ 特別養護老人ホームにおいて、介護の提供に係る計画の作成に関し、1年以上(勤務日
数180日以上)の実務経験を有する者

・ 老人福祉施設の施設長経験者(介護の提供に係る計画の作成や処遇等に、専門的な知識経験を有する者)

であれば、無資格でも生活相談員を名乗ることができ、各自治体によって要件が異なるのできちんと調べたほうがよいです。

ケアマネジャー

ケアマネジャーは介護職の上級資格として注目されている資格です。
介護系の職種の中でも取得するのが難しい部類に入ります。

仕事内容

ケアマネジャーは介護保険サービスを使いたい利用者と、介護保険サービスを提供する事業者をつなぐ仕事。

どんな介護サービスを使ったらいいかわからない利用者とその家族にとってはとても頼りにされる存在です。

介護サービスの選択はほぼケアマネジャー任せという利用者もいるので、ケアマネが権限を持っていることも。

デイサービスなどのサービス事業者は、主にケアマネジャーのいる居宅介護支援事業所を訪問営業するので、ケアマネとの関係性がお客様を連れてくる生命線にもなります。

ケアマネジャーはケアプランの作成や行政とのやりとりも多くこなす必要がありますし基本的にはデスクワークになりますので体力に自信のない中高年の方でも長く働くことができます。

必要な資格

ケアマネジャーの試験は毎年10月に行われますが、受験資格は定期的に変わるので調べておく必要があります。

・ 国家資格を保有していて、その業務に5年以上従事していること
・ 相談支援業務に5年以上従事していること

国家資格は、医師や看護師、理学療法士や介護福祉士など20種類以上の国家資格が対象です。資格を保有しているだけでなく、実際にその業務に従事していることが必要になります。

相談支援業務とは介護施設や障害者施設で、生活相談員や支援相談員として相談業務を行っていることを指します。

まとめ

中高年の介護転職は、未経験でも採用される確率が高いですし、経験があるならキャリアアップも狙えます。

他の業界では年齢が高いと再チャレンジが厳しいところも多い中介護業界はある程度年齢が高くても十分上を狙っていける業界なので、ぜひ挑戦してみてください。

・ 中高年の介護転職は難しくない
・ 介護業界は売り手市場。近くに働くところも多く未経験でも採用される可能性が高いので経験者はより転職に有利
・ 施設管理職は運営の責任者。責任が求められるがやりがいも大きい
・ サービス提供責任者は訪問介護を監督する仕事。書類作成や訪問ヘルパーのマネジメントが主な仕事
・ デイサービスの生活相談員はなんでも屋。契約から営業、送迎までいろんな業務をこなす
・ ケアマネジャーは利用者とサービス事業所をつなぐ仕事。利用者や家族からかなり頼りにされる

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