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医療・福祉・介護 転職のノウハウ

介護で多い退職と転職理由は?働き続けるためのポイントも解説します

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はじめに
ますます進む高齢化社会に伴って、介護職の需要は高まりを見せています。実際に介護の仕事に就く人も多いですが、何らかの理由で退職や転職をしてしまう人も少なくないのが現状です。介護業界は常に人手不足と言われていますが、いったいなぜ人材が定着しないのでしょうか?できれば一度就職したら、長く継続して働きたいですよね。
今回は介護で多い退職と転職理由5つ、そして退職や転職をしないで働き続けるための5つのポイントなどについて解説します。

介護で多い退職や転職理由5つ

まずは介護の仕事に多い、主な退職や転職理由を全部で5つ見ていきましょう。

給与が安くて仕事内容に見合っていない

介護の仕事といえば、「安月給」のイメージを持つ人は少なくありません。ここ最近は処遇改善手当の支給によって、介護職の待遇も改善されつつあります。しかしそれでもなお介護の仕事は給与が安く、ハードな仕事内容に見合っていないと感じている人も多いです。
正社員や常勤の介護職でも介護や福祉以外の業種と比べると、まだまだ平均給与は低いのが現状。特に男性の介護職の中には結婚や子どもの誕生などを契機として、家族を養うために退職や転職をすることも見られています。

同僚や上司との関係が上手くいかない

職場の同僚や上司との関係が上手くいかないことから、退職や転職に至るケースもあります。実際に介護の職場で働いた人たちの中には、「パートの介護職から仕事を押し付けられる」「ミスをすると先輩スタッフから、ネチネチと説教される」「上司の態度がスタッフによって変わる」などの声も少なくありません。
仕事量が多い割に賃金が少ないことがストレスの原因となって、人間関係に不調をもたらすスタッフがいるのです。

夜勤を含む変則勤務で体の負担が大きい

変則勤務が原因となって退職や転職をする人もいます。特別養護老人ホームや有料老人ホーム、グループホームなどの入所施設では夜勤を含む変則勤務をしなければいけません。早番や遅番、夜勤などの変則勤務に加えて、ほとんどの場合で休日も不定休となります。夜勤明けの翌日は休日としている施設が多いですが、どうしてもシフト調整ができないと日勤や遅番などの勤務となることも。
体力がある若い内は変則勤務も乗り越えられますが、特に40代や50代以上の中高年になると体への負担が大きくなりがちです。生活リズムが安定せずに、体調を崩してしまうケースも少なくありません。

仕事量が多く、仕事内容がハード

人手不足も原因となって、介護の仕事は1人の介護職が担う仕事量が多いのが特徴です。勤務時間中は利用者の介護やケアに従事し、ケース記録の記入やスタッフミーティング、行事の準備、委員会活動などは勤務時間後に行うこともあります。残業をせざるをえない状況であっても職場によっては残業代が支払われず、サービス残業となるケースも少なくありません。
また仕事内容もハードです。特に特別養護老人ホームのような入所施設では介護を必要とする利用者が多いため、必然的に身体介護をする機会が多くなります。利用者のトランスや体位交換などは腰に大きな負担がかかり、腰痛に至ることも。少なくありません。
仕事量の多さと仕事内容のハードさが原因で、退職や転職をする人もいるのです。

精神的なプレッシャーに耐えきれない

精神的なプレッシャーに耐え切れずに、退職や転職をする人もいます。介護は人の健康や命を預かる仕事です。利用者への介護方法やケアの方法を間違えてしまうと転倒や誤嚥、誤薬、行方不明などの事故を引き起こしてしまう可能性があります。これらの事故は最悪の場合で命の危険にもかかわるため、介護職のプレッシャーは常に高いのです。
また特に入所施設の夜勤勤務は夜間を少ないスタッフ数、規模によっては1人で対応をしなければいけません。何かトラブルが発生した際に判断をして、対応しなければいけないのです。
利用者の健康や命を預かっているという、神的なプレッシャーに耐えることができず、退職や転職をする人も少なくありません。

退職や転職しないで仕事を継続するための5つのポイント

一度介護の仕事に就いたら、できれば退職や転職をしないで長く働き続けたいですよね。続いては退職や転職をしないで、仕事を継続するための5つのポイントを紹介します。

信頼関係を築いて人間関係をスムーズにする

同僚や上司との人間関係が上手くいっていない人におすすめなのが、信頼関係を築く方法です。人間関係がスムーズになりますよ。
信頼関係を築くポイントは全部で2つです。

相手の話を傾聴する

1つ目のポイントは、相手の話しを傾聴することです。傾聴とは話しに耳を傾け、「あなたの話しを聞いていますよ」と示すこと。人間は自分の話しをしっかり聞いてくれる人に対して好印象を抱きやすく、信頼をするようになります。
同僚や上司が話している内容を繰り返してみましょう。例えば上司から「施設長がムリな仕事を押し付けてきて、本当に困るんだよね」と言われたら、「大変な仕事を押し付けられて、参ってるんですね」「ストレスになってるんですね」などと返してみてください。ポイントは言い回しを変えることです。言われたことをオウム返しのように答えてしまうと、「バカにしてる」と思われてしまいます。表現や言い回しを変えて返してあげることで、「この人は私のことを理解してくれる」と思ってもらえるようになりますよ。

積極的に話しかけてみる

積極的に話しかけてみるのも、信頼関係を築くための有効な方法です。人間は誰でも自分に興味や好意を持ってくれる人に対して、嫌な感情は抱きません。積極的に話しかけてくれる人に対しても好印象を抱き、その結果として信頼関係につながっていきます。
休日の過ごし方や趣味、好きな食べ物、いま話題のニュース、仕事中にあった面白い出来事など、会話の話題は何でも大丈夫です。
苦手な人に積極的に話しかけるのは勇気が必要ですが、ぜひ試してみましょう。

仕事は仕事と割り切る

仕事は仕事として、プライベートと割り切ることも大切です。特に人間関係で悩んでおり、改善の見込みがない人は仕事とプライベートを割り切るように意識してみましょう。
ウマが合わない同僚や嫌な上司がいたとしても、所詮は仕事上だけの付き合いです。プライベートには全く関係はありません。「仕事している間だけ我慢すれば済む」と割り切ることで、人間関係から生じるストレスも減っていきます。
プライベートは仕事のことを考えず、思いっきり好きなことをして過ごすようにしましょう。

体内リズムを整える

夜勤を含む変則勤務をしている人は、体内リズムを整えるように工夫をしてください。ポイントは次の3つです。

夜勤明けの帰宅時はサングラスをかける

夜勤明け当日、職場から自宅に変える際はサングラスをかけましょう。多くの人は帰宅してから仮眠することになるでしょう。帰宅途中に太陽の光を浴びてしまうと体が「朝」と認識し続け、帰宅後の睡眠の質が乱れます。
サングラスをかけることで目に入る太陽の光をカットし、体を「夜」の状態にしてスムーズな睡眠を促してくれるようになりますよ。

夜勤明けの仮眠は3時間に抑える

夜勤明けで帰宅後の仮眠は、3時間に抑えるようにしてください。午前中に帰宅した場合は、12時頃には起床すると良いですね。睡眠時間が足りていないので眠気が強いですが、そのまま寝てしまうと夜の睡眠に影響を及ぼします。
その分、夕食をいつもよりも早めに摂って早めに就寝しましょう。睡眠不足を解消しつつ、生活リズムも整えることができるようになります。

朝食は必ず食べるようにする

早番や日勤、遅番の時は必ず朝食を食べることが大切です。朝食は体内時計を正常に整える作用があります。遅番や夜勤などの変則勤務で乱れた体内時計をリセットしてくれますよ。

仕事内容を見直す

仕事量が多い人は、1日の仕事内容を見直してみましょう。限られた勤務時間内で与えられた仕事を終わらせるためにはムダな仕事を省いたり、仕事を早く終わらせられるように効率化させたりすることが有効です。
仕事に取り組む順番を明確化する、順番を変えてみる、事務作業をスキマ時間に行うなど、改善するための方法はいろいろあるはずですよ。

ボディメカニズムを学ぶ

腰痛で悩んでいる人は、ボディメカニズムを学びましょう。ボディメカニズムは身体力学のことで、介護者の体に負担をかけることなくスムーズな介護や介助ができるようになりますよ。
利用者との重心をできるだけ近くする、介護者の両足を前後左右に大きく開く、利用者をできるだけコンパクトにまとめるなど、どれもすぐに実践できるものばかりです。

それでも辛くなったら転職という方法も検討しましょう

なるべく退職や転職をしないで働き続けるための方法を紹介しましたが、どうしても辛くなったら転職という方法もアリです。現在介護の求人は豊富にあるので、介護職経験者や有資格者であれば比較的転職先が見つかりやすいでしょう。
人間関係のストレスを溜め続けたり、変則勤務で生活リズムが安定しない状態が続いたりすると、大きく体調を崩してしまう可能性があります。体調を崩してしまっては元も子もありません。思い切って転職を考えてみるのも、一つの方法です。今よりも働きやすい、そして待遇が良い職場が見つかるかもしれませんよ。

まとめ

介護の仕事は需要がありますが、退職や転職をする人も少なくありません。給与が仕事内容に見合っていない、同僚や上司との人間関係が上手くいかない、変則勤務で生活リズムが安定しないなど、理由はさまざまです。
長く仕事を継続するために工夫できることはたくさんありますが、どうしても辛くなったら転職という方法も検討してみてはいかがでしょうか。今よりもストレスなく、快適に働ける職場が見つかるかもしれませんよ。

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