はじめに
臨床検査技師という言葉は知っていても、仕事内容まで詳しく分からない人がほとんどでしょう。
健康診断などで病院に行った時、尿検査や血液検査などを行っているのが臨床検査技師。
ここではミドルシニア世代の臨床検査技師が転職する際におさえておきたいポイントなどをご紹介します。
また、臨床検査技師の転職の現状はどうなっているのかについてもまとめてみます。
臨床検査技師とは
そもそも、臨床検査技師の「臨床検査」とは分かりやすく言うと、身体の細胞や組織、機能などに異常がないか調べる検査のことを言い、生体検査や検体検査でデータを収集し医師にデータを提供するのが臨床検査技師の仕事です。
つまり、臨床検査技師はさまざまな検査を行い医療に貢献する仕事で、採血や検体採取などの業務を行い、患者さんとじかに接することも多い仕事です。
検査のプロという立場であることから、医療に必要不可欠な職種となっています。
レントゲン検査の際に担当する仕事とよく間違われますが、この仕事は放射線技師と言い、臨床検査技師とは全く別の資格を必要とします。
臨床検査技師に必要な資格
では臨床検査技師になるにはどんな資格が必要なのでしょうか？
臨床検査技師になるためには文部省指定の短期大学、専門学校、4年製大学で養成課程を修了した後、臨床検査技師の国家試験に合格する必要があります。
また、臨床検査技師向けの学校意外でも大学で保健学や薬学、獣医学などを修了していたり、薬剤師や獣医師の資格を取得していれば、国家試験を受験する資格を取得できます。
ただ、注意したいのは通信教育や独学で資格を取得できないこと。
国家試験を受験する資格を取得するまではかなり厳しい道のりですが、国家資格を取得できれば、臨床検査技師として活躍できる場は非常に幅広いですし、医療関係の国家資格ですので長期間安定的に働けると言っていいでしょう。
臨床検査技師の転職の現状
では、臨床検査技師の転職の現状はどうなっているのでしょうか？
わが国では医療の高度化が進んでおり、臨床検査技師の重要性が高まっていますが、求人は以前より厳しいというのが現状です。
その理由はさまざまですが、臨床検査技師の資格取得者が年々増えていることや、検査に使う機器が高度化しており自動化が進んでいることなどが主な理由です。
そんな現状の中で、臨床検査技師の非正規雇用やパート雇用が進んでいます。
たとえば、子育て中の臨床検査技師がパートで働いたり、病院から医療系の企業へ転職する人も多いです。
中には臨床検査技師としての仕事以外に転職する人も多いようでせう。
ただ、こういった厳しい現状の中で増えているのが動物医療の現場です。
ペットブームが続く中で、ペットの飼い主は健康診断などペットに対する健康意識が高いので、ペット向けの検査の需要はますます広がっていくと考えられます。
そのため、ミドルシニア世代の臨床検査技師が転職する場合、人間だけでなくペットなどの動物関連も視野に入れれば、活躍できる場面が広がりそうです。
さらに、転職事情が厳しい中でキャリアアップするためにも、さまざまな資格の取得に挑戦する業界経験者も多いです。
具体的に言うと、診療臨床検査技師、超音波検査士、細胞検査士…などの資格などで、臨床検査技師の資格に加えこういった資格を取得していけば、ミドルシニア世代の方でも転職がスムーズに進むでしょう。
もちろん、上でも言ったように臨床検査技師の仕事自体チーム医療や医療の高度化が進む中で注目されていますが、臨床検査技師に求めるスキルや専門性も同時に高度化が進んでいます。
検査が自動化され業務が簡素化されつつある中、スキルや専門性を一層高めていただき、患者さんの病気の早期発見に貢献することが現在臨床検査技師に求められているということを理解しておきましょう。
ミドルシニア世代の臨床検査技師が転職を成功させるには
即戦力になれるかどうか
臨床検査技師の転職の現状は決して甘いものではありません。
臨床検査技師業務のほとんどは専門性が求められ、スキルが必要とされるものばかりです。
たとえば、臨床検査技師求人はあるものの、そのほとんどが超音波検査の経験がある臨床検査技師を対象としたものです。
現在、人間ドックやオプション健康診断などが主流になり、治療より予防を重視する中、健診業務で超音波検査を行う場面が増えているのが現状です。
大病院や健診センターだけでなく、個人のクリニックや中小の病院でも健康診断を行うようになっており、多くの場面で超音波検査を行う人材が不足しています。
いっぽう、超音波検査は時間のかかる検査なので健康診断のように大量の件数をこなす必要のあるところで教育体制を万全にするのは困難です。
さらに、健康診断以外でも超音波検査を行える即戦力のある臨床検査技師を求める求人が増えていることから、ミドルシニア世代の方で転職を希望する場合に超音波検査を経験していない人にとっては厳しいというのが事実です。
そのため、ミドルシニア世代の臨床検査技師が転職を成功させるためにはこれまで培った業務経験を活かせる転職がおすすめです。
つまり、満足する転職を行うには超音波検査などスキルの高い業務を経験できるチャンスをつかむことが大切です。
ぜひ、転職活動を行う場合、活動を始めるかなり前から準備が始まっていると考えておきましょう。
転職サイトを利用する
ミドルシニア世代の臨床検査技師の方で転職活動がはかどらない場合、何かしら転職活動の進め方に問題があるのかも…。
たとえば、年齢に見合った経歴やキャリアがあるミドルシニア世代の方でも、職務履歴書や履歴書の書き方自体がきちんとできていなかったり、求人情報を集めきれないな…などだと、転職活動はうまく進みません。
ですが、転職サイトを利用すれば、医療機関が求めている勤務条件やスキルと自分の希望する条件がマッチした案件を紹介してもらえます。
つまり、採用される確率の高い案件をピックアップして応募できるので、転職活動を効率よく進めることができます。
求人サイトを使用しないとさまざまな医療機関や施設に履歴書や職務履歴書を送付したのに書類選考さえ通らない…ということを回避できます。
また、ミドルシニア世代の臨床検査技師の中には履歴書や職務履歴書の書き方がイマイチ分からない…という方もいらっしゃるでしょう。
そんな時、求人サイトの担当者から書き方を教えてもらうこともできます。
さらに、働きながら転職活動を行う場合、面接日の調整や転職先とのさまざまな交渉などを自分で行うのは難しいです。
ですが、求人サイトの担当者やキャリアアドバイザーがあなたの代わりとなって転職先との交渉や面接日の調整など全て行ってくれます。
まとめ
ミドルシニア世代の臨床検査技師が転職を進めるためにおさえておきたいポイントなどをご紹介しました。
現在、ミドルシニア世代の臨床検査技師の転職事情は甘くなくないのが現状です。
雇用形態も正社員でなく非正規やパートなどが増えていることから、ミドルシニア世代で正社員として働き続けたいという臨床検査技師の方にとって厳しいと言えるでしょう。
ただ、ペットブームが続く中動物を対象にした臨床検査のニーズが増えているのも事実です。
ぜひ、求人サイトを利用し自分が望む条件にぴったり合った転職先を見つけていただきたいです！