はじめに
最近、50代や60代のミドル層やシニア層の業界経験者の方が介護の仕事に転職するケースも増えています。
一般的に介護の仕事はハードで体力勝負だと思われていますが、実際に働いている人から話を聞くと、楽しいとかやりがいがあると答える方が多いです。
ここではそんな、50代60代の業界経験者で転職をお考えの方のために、介護職のメリットや内容、向いている人などについてまとめてみます。
ぜひ、ミドルシニア世代の方で転職をお考えの方は参考になさってみてください!
介護の仕事って?
わが国では現在、65歳以上の占める割合が4人に1人となっており、以前にもまして介護職の仕事の重要性が高まっています。
介護職と一言で言っても、大きく分けて2つあり、社会福祉の専門知識、介護サービス職があります。
まず、社会福祉の専門知識として介護福祉士、ケアマネージャー、老人福祉施設指導専門員、ケースワーカーなどが知られています。
いっぽうで、介護サービス職の方だとホームヘルパーや訪問介護員、施設介護員などがあります。
介護の仕事に転職する際有利な資格としてケアマネージャーや介護福祉士、ホームヘルパーなどが挙げられます。
介護の仕事内容とは
次に、介護の具体的な仕事内容、中でも介護施設で介護士として働く場合についてご紹介します。
食事の介助
利用者が食事をおいしく食べられるよう、食事を取り分けたりなど介助を行います。
中には噛む、飲み込むなどが難しい方おいらっしゃるので、それぞれの状態に合った食事を提供し誤嚥しないよう注意する必要があります。
また、食事が終わればお口の中を清潔にするお手伝いも行います。
排泄の介助
排泄のタイミングを見計らったり、決められた時間などにトイレへ誘導し、排せつのお手伝いすることも大切な仕事です。
トイレに行けない方にはおむつ交換やポータブルトイレなどを利用することもあります。
ただ、排せつがストレスになっている高齢者が非常に多いため、ストレスにならないよう配慮する必要があります。
入浴の介助
また、入浴が気持ちよくできるように、洋服を脱がせたり着せたり髪を洗ったりなどのお手伝いをします。
高齢者は入浴中に体調が急変する可能性があるので、入浴前に健康状態を確認したり、お湯の温度を確かめたり、補助器具などを使ったりなど、十分に安全に気をつけて入浴させねばなりません。
入浴が楽しみな利用者は多いので、入浴が楽しめるよう配慮しながらお手伝いを行います。
介護の仕事に向いている人
では、実際に介護の仕事に向いている人とはどういう人なのでしょうか?
思いやりがあり忍耐強い
第一に、思いやりがあることが重要です。
そもそも、介護の仕事は人の体に直接触りますし、ご家族の方と話をする機会が多いです。
介護する方が今何を望んでいるのかしっかりと聞くことができるなど、コミュニケーションがしっかりと取れなければなりません。
また、当然ですが、常に相手の立場になってものごとを考えなければなりません。
資格がなくても相手の気持ちを考えたり、思いやりを持つことはできますが、介護の仕事は他の仕事よりそれらが必要とされる仕事です。
そのため、介護の仕事に転職するなら中途半端な気持ちで続けていくのは難しいでしょう。
さらに、忍耐強いことも大切です。
気が短い人より気の長い方の方が介護の仕事に向いているのは当然です。
それは高齢者で体が不自由になると、ちょっとした動作、たとえば、ベッドから起き上がったり、洋服のボタンをかけるなどに必要以上に時間がかかります。
また、話が長かったり、同じことを何度も話したり、認知症の方だと突然怒り出したり中には暴力を振るう方もいらっしゃいます。
そんな時、すぐにイライラしたり、怒ったりするようでは介護の仕事が務まるはずもありません。
判断能力と観察力にたけた人
ミドルシニア層で業界経験者が別の介護の仕事に転職するとなれば、判断力と観察力がある方が有利です。
介護の仕事は何人もの高齢者のお世話を同時進行することがほとんどなので、とっさに危険を察知し判断することが必要だからです。
その時その時の利用者の表情や動きを見て相手の気持ちや健康状態を把握したり、変化に気づかなければなりません。
もし、体調が悪い、どこか具合が悪いと感じたら、すぐに看護師や医師などに伝える必要があるからです。
業界経験ありのミドルシニア層が介護の仕事に転職するメリット
リストラに合いづらい
介護の仕事は都会も地方も関係なく、人間がいる限り必要となる仕事です。
そのため、故郷に帰ったり知らない土地に行って介護職に転職することになっても、転職できる確率が高いです。
つまり、今勤務している会社がつぶれたり、リストラに合ったとしても介護の仕事なら比較的すぐに転職できるでしょう。
特に、介護に関するなんらかの資格を持っている方なら、どこに住んでも介護の仕事が見つかるはず。
また、働き方も正社員だけではなく、派遣やアルバイト、パートなど自分のライフスタイルに合わせて選ぶこともできます。
人生経験を活かすことができる
それに、ミドルシニア層にとって最大のメリットはそれまでのさまざまな人生経験が活かせるということ。
50代60代の方は若い人と比べて人生経験も豊富です。
その人生経験を新しい介護の仕事で活かせることは大変強みになるでしょう。
たとえば、それまで勤務していた介護関係の施設で管理職だった場合だと施設長など施設を運営する仕事に転職したりできる可能性もあります。
高齢になっても働くことができる
平成28年度有料老人ホーム事業高齢者雇用推進事業報告書によると、介護職に就く方の2割程度は60歳以上だそうです。
ただ、勤務時間についてはさまざまで、1週間のうち数時間働く方もいれば、40時間以上の方もいらっしゃるなど、働き方も多岐にわたっています。
つまり、新しい介護の仕事に転職しても、高齢になっても自由な働き方で働けるということ。
親の介護の際に役立つ
業界経験豊富なミドルシニア層の方が介護の仕事に転職するとなると、介護についての仕組みや制度を知ることができますし、リアルタイムで現場を見ることが可能です。
その経験を、自分の親の介護の際に役立たせることができます。
いざ、親に介護が必要…となった時、慌てず対処できるというのは自分にとっても親にとってもありがたいことではないでしょうか?
経験があれば採用されやすい
ミドルシニア層にとっていくら介護職の経験があっても、転職するのはハードルが高いことかと思います。
ですが、同じ業界で経験があれば、採用する側からとってもありがたい人材となるため、採用されやすいのは間違いないでしょう。
まとめ
もうミドル、シニアだから転職なんて無理だ…なんて思っている50代60代の方は多いかと思います。
ただ、介護業界では慢性的な人手不足のため中高年でもチャレンジできる可能性は高いです。
実際に、東京都ではトライアル雇用制度などがあり、介護職への人材不足に関して力を入れていることもあり、ミドルシニア層が介護の仕事へ転職しやすい状況です。
もし、今あなたが介護の仕事に興味があり転職してみたいと思ったら、できるだけ早く行動を起こすことが大切です。
介護の世界では経験が実績となっていき、資格取得の際に有利になるため少しでも経験を積むことが重要です。
ぜひ、転職の際のお役に立てていただければと思います!