はじめに
50代の中高年の方で理学療法士に転職したい、でも可能なのかどうか不安に思われている方もいらっしゃるでしょう。
理学療法士とはPhysical Therapist略してPTとも言い、国家資格がなければ行えない仕事の1つです。
わが国では現在、高齢化社会が進みリハビリを必要とする人が急増しており、医療機関だけでなく自宅でリハビリを行うケースも増えています。
そのため、医療機関で働く理学療法士だけでなく、訪問してリハビリを行うケースも増えており、今後ますます需要が増えることが予想されています。
ここではそんな、理学療法士へ50代でも転職が可能なのかどうか解説してみたいと思います!
理学療法士の仕事内容
その前に、理学療法士の仕事内容ってどのようなものなんでしょうか?
理学療法士の主な仕事内容はけがや病気などで身体に障がいを抱えたり、不自由になった人や高齢者で身体の機能が低下した人などに対し、リハビリを行うものです。
リハビリを行う際は医師の指示のもと、物理療法や運動療法などが行われますが、それぞれの患者さんの状態に最も合ったリハビリ計画を作成し行っていきます。
作業療法士との違い
理学療法士と混同されるものに作業療法士がありますが、この2つの違いとはどのようなものなのでしょうか?
理学療法士の方は患者さんに対し基本的な動作能力の回復をサポートする仕事で、具体的には上でご説明したとおりです。
いっぽうで、作業療法士の方はと言うと、患者さんに対し日常生活の動作や工作や手芸などの作業などを使い、身体機能の回復のサポートを行います。
さらに、日常生活の動作の回復においては食事や排せつ、仕事をする上での動作などのサポートを行うことで、日常生活や社会生活をスムーズに行えるようリハビリを行います。
両者それぞれのサポートがあってこそ、患者さんの身体機能の回復につながるわけですね。
理学療法士の活躍の場
では、理学療法士の資格を取得したら、どういう場で活躍できるのか見ていきましょう。
医療機関
理学療法士が最も多く活躍しているのは医療機関で仕事内容は診療科目などによって違っており、大型の病院もあれば、個人のクリニックなどさまざまです。
クリニックの場合だと整形外科がほとんどで、地域に貢献しているものが多く地元の患者さんから信頼をおかれているクリニックも多いです。
外来患者さんがほとんどで、スタッフの数が限られているので責任重大ですがスキルや技術があれば比較的自由に働くことが可能です。
高齢者関連施設
最近特に増えているのが高齢者に関する施設です。
介護の分野において、理学療法士が活躍できる場は増えており、介護と医療の中間施設と言われるもので、医師や看護師らとともに高齢者のリハビリ業務を行います。
高齢者関連施設ではリハビリにより日常生活を行う上での身体機能の回復をサポートします。
高齢者が生活する上での身体能力を向上させることで介護する家族の負担を軽くすることができます。
在宅へと移行する場合は利用者の自宅に出向き、介護保険サービスや自宅の改修などについても相談に乗ったりします。
訪問、通所リハビリ
また、理学療法士が活躍する場として訪問、通所リハビリステーションが挙げられます。
訪問リハビリとは利用者の自宅に出向き、リハビリを行うもので、外出が困難な寝たきりの高齢者に対し、日ごろの生活環境の中でリハビリを行います。
いっぽうで、通所リハビリとは在宅で介護している介護を要する高齢者を施設でリハビリするものです。
こういったリハビリを続けることで、身体機能が向上し自宅で生活できるようになったり、家族の負担が軽くなったりとメリットが多いです。
今後、ますます高齢化社会が進むことから考えても、訪問、通所リハビリの需要は高まると考えます。
スポーツの分野
理学療法士はなにも身体が不自由な方ばかりを対象に仕事をするとは限っていません。
プロスポーツの分野においても活躍している理学療法士は多いです。
たとえば、プロスポーツチームをサポートする会社や、スポーツリハビリを行っている医療機関などで活躍していたりします。
これらの場合はけがをした選手だけでなく、日々のコンディショニング維持にも努めます。
理学療法士の中には豊富な実績や経験があることから、オリンピック選手をサポートするチームで働いている方もいるほどです。
今後、ますますスポーツ分野で活躍する理学療法士は増えていくと予想されます。
50代でも理学療法士への転職は可能?
では、50代の中高年の方が理学療法士への転職って可能なんでしょうか?
理学療法士は国家資格の1つで、国家資格を取らなければ仕事をすることができません。
しかも、50代で資格を取るなんて考えただけでも難しそうですが、結論を言うと50代のシニア世代であっても、理学療法士として転職することは可能です。
国家資格さえ取れば理学療法士になることは可能ですし、現在求人を見ても理学療法士を募集している医療期間や施設などは多いです。
もちろん、未経験から転職することは難しいかもしれませんが、不可能ではありません。
ただ、気になるのは最近さまざまなところで、理学療法士の数が増えすぎて余っている…と言われていることです。
実際に、2019年3月現在、理学療法士の数は12万人ほどいると言われており、その数は増え続けています。
つまり、余っているというのは事実と言えるかもしれません。
もし、理学療法士の数がこのまま増え続けると、求人の数より希望する人の方が増えてしまい就職や転職しづらくなります。
ですが、わが国が今後ますます高齢化社会が進むのはまぎれもない事実で、在宅やさまざまな施設で理学療法士によるリハビリの需要が高まるのは間違いないです。
高齢化社会がこのまま続く限り、理学療法士の需要は高まるため、50代の中高年であっても転職が不可能ということはなさそうですね。
理学療法士に向いている人
50代で理学療法士へ転職したいけれど、自分に向いているかどうか分からない…という方のために、理学療法士に向いている人とはどのような人か解説してみたいと思います。
人の心を思いやることができる
理学療法士に最も必要な資質は人の気持ちを思いやれるかどうかです。
さまざまなけがや病気で障がいを持つことになった患者さんに対し、身体的なサポートだけでなく精神的にも寄り添えなければなりません。
思わぬ障がいを負うことになり、精神的に落ち込むあまりリハビリに積極的になれなかったり、以前のように身体が動かなかったりすることでイライラすることもあるでしょう。
そのため、理学療法士は患者さんの気持ちに寄り添いながら、患者さんが今何ができるのか考えた上でリハビリを行う必要があります。
患者さんの立場に立ち、気持ちに寄り添いながらリハビリへ積極的に向き合えるようサポートします。
つまり、肉体的だけでなく精神的にも支えになる必要があるわけですね。
心身ともに健康である
これは理学療法士だけに限りませんが、自分自身が心身ともに健康である必要があります。
理学療法士はリハビリを行う際、患者さんの身体を支えたり、動かしたりします。
その際、バランスを崩すと患者さんが思わぬけがをすることもあります。
患者さんが不安にならないよう、体力がないと務まりません。
また、日ごろからしっかりと体調管理をすることが重要です。
忍耐力がある
理学療法士がいくらリハビリを続けても、思うように効果が得られないこともあります。
これはどうしても起こり得ることですが、効果が出ないからと言って、リハビリをあきらめるわけにはいきません。
どうすれば身体機能が向上するのか新しいことを試したり、チャレンジすることで理学療法士としてステップアップできるか決まってきます。
それぞれの患者さんに対し、忍耐強くリハビリを行い責任感を持って接することが重要となります。
コミュニケーション能力
医療や介護に携わる仕事は直接人間と関わる仕事です。
そのため、ひとりひとりの患者さんに対し、きめ細やかなケアができ生活の質が上がるようコミュニケーションを取る必要があります。
ちなみに、理学療法士が仕事をする上でのコミュニケーション能力と言うと、会話が楽しいかどうかということではありません。
患者さんの立場に立って対応できたり、親身になって相談に乗ってあげたり…などで、この能力があるかどうかで理学療法士としての役割が務まるかとうか決まると言ってもいいほどです。
また、患者さんだけでなくそのご家族や職場の上司や同僚などとコミュニケーションを取れるかどうかも大切です。
医療や介護の現場ではさまざまな職種の人と綿密にコミュニケーションを取り合い、連携して仕事を進めていく必要があるため、コミュニケーションに欠けていると非常に仕事がしづらいです。
転職エージェントを利用しよう
50代の中高年の方が理学療法士へ転職する場合、1人で転職活動を進めるのは簡単ではありません。
できれば転職エージェントを利用しプロのアドバイザーのサポートを受けることをおすすめします。
アドバイザーは履歴書や職務履歴書の添削、面接指導などさざまなサポートを提供します。
また、転職活動を行う上での不安や疑問に対し、親身になって相談に乗ってくれます。
できれば、複数の転職エージェントに登録し、それぞれのサービスを最大限に活用するようにしましょう。
まとめ
50代のシニア世代でも理学療法士として転職は可能なのかどうか、向いている人はどういう人かなど、解説しましたがお分かりいただけたでしょうか?
結論を言うと、50代であっても理学療法士への転職は可能です。
ただ、求められる適性をおさえていただき、転職エージェントなどプロの力を借りることでより効率よく転職活動を進められます。
ぜひ、ここでご紹介したことを参考にしていただき、スムーズに転職活動を行ってくださいね。