ミドル、シニア求人転職比較

シニア・中高年の就職、転職、求人をテーマにした情報サイト

文字サイズを変更できます

  • 通常
  • 大きく

保育 転職のノウハウ

保育士の退職理由は意外なものも?長く働ける保育園の探し方など説明します。

投稿日:

はじめに
保育士不足という言葉は度々メディアで取り上げられますが、何故足りないのでしょうか。それは、様々な理由で退職をしていき保育士になる数よりも辞める数が増えているからです。今回は保育士が辞める理由について説明していきます。よく聞く内容から保育士なのに?思う理由まで一挙紹介しましょう。

保育士が退職する理由とは?

それではさっそく保育士が退職理由について紹介していきましょう。

人間関係が悪い・複雑で辞めていく

保育士の退職理由で圧倒的に多いのが「人間関係」です。どんな仕事にも人間関係はつきものと思っている方もいるかもしれませんが、保育士にとって「人間関係」は仕事をする上で本当に重要になってきます。
保育園では「複数担任制」といって、複数人の保育士がそれぞれのクラスの園児たちを保育していきます。その中にはベテラン先生と比較的若い先生などが一緒になって入ることもあります。そこでお互いの保育方針が合わないと、ピリピリとしたムードの中で働かないといけません。
基本的に保育園は年途中で担任を変えることはありませんし、場合によっては担当した園児が卒園するまで一緒になるなんてこともあります。これは長期的に子どもや親との信頼関係を築かないといけないからです。この雰囲気の中で働くのが嫌になり辞めていく保育士も。
更に保育園の先生同士の派閥というのも存在しています。大きな保育園になりますと主任が2人在籍していることもあり、その主任のどちらかの味方にならないといけないという暗黙ルールがある保育園も存在しています。
そんなの関係ないと思いどちらの派閥にも入らない保育士には、徹底的に攻撃を行い退職に追い込んでいく保育園もあるのです。更には一人の保育士をターゲットにして全員でいじめを行うところも。
例えば、その先生が何か企画を出しても全員で貶して却下したり、存在自体を無視したりするなどがあります。
「そんなひどい保育園があるの?」と思われるかもしれませんが、保育士の人間関係によるいじめ問題は深刻なのです。

園長先生などのご機嫌を取らないと給料を減らされることも

更に人間関係で辛いと感じるのは子どもよりも「園長先生」のご機嫌を取らないといけない園も存在しています。
その園長先生に嫌われてしまったり、気に障らないことをしてしまうと給料を減らされてしまうことも。驚くべきことかもしれませんが、実際にあります。
子どもの笑顔の為に働いているのに、園長先生のご機嫌を優先的に取らないと行けないのが嫌になり辞めてしまう保育士もたくさんいるのです。

サービス残業・持ち帰りが当たり前のようにあるから

仕事は「子どもと関わっている時間」のみと考えている保育園がたくさんあります。その為、子どもと関わっていない「事務作業」や設定保育などの準備などは仕事と見なされていないところも。
もちろん、本来であれば日誌などの事務作業でも設定保育の準備でも仕事になるのですが、保育士の仕事の性質上、そこは仕事と認められないケースも多いです。
これが蔓延している園では就業時間内は子どもと関わる仕事をやって、就業時間外のは別室で事務作業や明日の工作の準備などをしていきます。ただし、別室での仕事は子どもと関わっていないので仕事ではないという保育園側の解釈で残業代が一切出ません。
それでも準備が終わらない場合は、家に帰って保育の準備を行ったり、書類を書いたりしないといけません。持ち帰りの仕事は「情報漏洩」にも関わることであり、やってはいけないのですが、そうしないと仕事が回らないのが保育士の仕事の現状なのです。
中には定時に仕事を終わると怒られてしまうことも。自分の仕事を終わらせたとしても、他のクラスの先生の仕事が残っている場合はサービス残業で付き合わないといけません。
その為、自分の仕事を終わらせても、定時では絶対に帰れない保育園に嫌になり退職してしまう保育士が後を絶たないのです。

仕事量が多く、持ち帰りを前提に仕事を渡してくることも

保育士の仕事は「子どもの保育」「月案・週案や保育日誌や子ども成長に関する書類の記載」「設定保育の準備」から「行事の準備」まで、たくさんの仕事があります。その為、持ち帰りを前提に仕事を渡してくる人もたくさんいるのが現状です。
「これだけの仕事を回せない」と正直に言ったとしても「持ち帰ったら出来るよね?」と言われることも多々あり、せっかくの休日も休めなかったりすることもあります。
そういう風に仕事をしてきた人達ばかりの保育園に入れば、相談をしても「保育士はサービス残業・持ち帰りの仕事が当たり前」と言われるだけ。
ひどい場合には「定時に上がろうとするなんて保育士に向いていない」「持ち帰りで仕事がしたくないなら保育士を辞めるべき」と心もとない言葉をかけられるケースが多く、心身ともに耐えきれなくなり退職してしまう人がたくさんいるのです。

保護者からの理不尽なクレームに耐えられなくなる

保育士は請け負った子どもだけでなく、その保護者とも関わらないと行けません。ほとんどの人は「悪いことをしたら叱ってください」や「怪我なんて当たり前だから気にしないで」と言ってくれる保護者が多いですが、中には理不尽なクレームを出してくる人もいます。
怪我をしたら怒鳴りこんでくる人、これはわが子が可愛いからわからないわけではないのですが、中には「ブランド服が汚れている!クリーニング代を出せ」や「野菜がいつまでも食べれないのは保育士が悪い!」といったクレームもあります。
普通の職場であれば命の危険を感じるようなクレームは「出入り禁止」や「電話禁止」などの対応をすることが出来ますが、保育園ではそれが出来ません。
このようなクレームに対する保育士向けの本を読んでも「何故このようなクレームが出るのか真摯になって考える」や「保護者の気持ちに立って一緒に考える」といった根本的な解決に繋がることは書かれていない書籍もたくさんあります。
無理難題とも言えるクレームを常に受け続けていけば、身体だけではなく心も耐えられなくなり、退職に追い詰められてしまうのです。
ただし、保育園によっては、一度対応を行う保育士を変えたり、追い詰められている保育士となるべく接触させないように工夫をする職場もありますので、人間関係などの退職に比べると少ないと言えるでしょう。

子どもが可愛くなくなり辞めることも

これは意外と思われるかもしれませんが、保育士を辞める理由の中には「子どもが可愛く感じない」と思うようになり退職する人もいます。
これには様々な理由があり、保育士を目指すきっかけになったのは「子どもが好きだから」の他にも「弟の面倒を見ていたから」や「近所の小さい子どもと一緒に遊んでいた」や「小さい従兄弟が可愛かった」からなどが人それぞれです。
保育士は「子どもが好き」や「子どもの成長を支えたい」という思いがないと出来ませんが、それだけでは「仕事はできない」のも現実です。
子どもも人間です。しかも1日一緒にいるわけですから子どものよくない部分にも目が行くようになります。
排泄処理、わがまま、自分の思いをわかってくれない、更には長時間労働や保護者のクレームで心身共に追い詰められてしまい、子どもが可愛いと感じられない、逆に子どもが嫌いになってしまって退職するケースもあるのです。

長く働ける環境の保育園を見つけるためには?

保育士の退職に様々な理由があることを理解できたでしょうか。ただ、最初から辞める前提でその保育園で働こうと考えている人はいません。
その保育園で頑張りたい、一人前の保育士として子どもの成長を見守っていきたいと思い入社する人がほとんとです。
そんな長く働ける環境の保育園を見つけるためにはどうすれば良いのか、退職のリスクを減らすための行動は何が必要なのか説明していきます。

面接前・面接時に園の見学を申し出る

気になる保育園があれば、面接前や面接時に園の見学をしたいということを伝えましょう。その時点で全てのことはわからないかもしれませんが、雰囲気というのは掴めるはずです。他の先生の様子を見たり、クラスの状況を少しでも確認してみてください。
そこで何か思っているのと違うと感じたり、嫌な雰囲気を感じ取ってしまった場合は、素直に従い、その園は辞めた方が良いでしょう。
どうしても保育園見学だけでは雰囲気などが掴めない場合は、お試しで実際に働くことができる保育園もたくさんありますので、活用していき、少しでも条件の良いところを探してください。

持ち帰りなどの頻度を聞いてみる

面接の時に持ち帰りの仕事はどれぐらいあるのか聞いてみるのも一つです。サービス残業などは現在厳しく取り締まれており、しっかりとした答えは返ってこない可能性がありますが、持ち帰りの仕事については「当たり前」と思っている保育園もたくさんあります。
その為、面接時に持ち帰りの仕事について質問をして「持ち帰りの仕事はある」と言われる園は辞めた方が良いでしょう。
また「持ち帰りの仕事はない」という保育園も要注意。その時は「どのようにして持ち帰りさせないようにしているのか」や「持ち帰りの仕事をしない取り組み」についてしっかりと聞きましょう。

まとめ

保育士の退職理由について紹介しましたがいかがでしたか?人間関係、長時間労働といったメディアでも取り上げられているものから、子どもが可愛くないといった意外な理由まであります。
現在、保育士の数が全く足りないと言われており待遇の改善などが行われてはいますが、人間関係などの労働環境の根本的なところが改善していかない限りは退職率は変わらないでしょう。
業界全体が変わっていかない限りは保育士不足を解決することは難しそうです。

-保育, 転職のノウハウ