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行政書士の将来性は?ミドル世代の行政書士の転職での注意点

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はじめに
現在、行政書士を取り巻く環境は決していいとは言えません。
わが国の人口が減少を続ける中、行政書士の人数は増加の一途をたどっており、ここ10年の間に2割も増えていると言われています。
その理由は行政書士の受験資格がなく、弁護士などの他の士業に比べ難易度が低く挑戦しやすいからでしょう。
人口減少に伴う依頼者数の減少が進んでいることから、事務所同士の競争が出来化し、報酬も下がる傾向にあります。
そんな行政書士の将来性やミドル世代の行政書士の転職についてまとめてみます。

行政書士の将来性

現在、わが国では官公署などでの事務手続きの簡素化や電子化が進んでいます。
そのため、行政書士へ依頼していた許認可申請などの業務を依頼せず自ら行う方が増えています。
さらに、今後IT化が進むにつれ事務手続きをAIが取って代わるとも言われており、これまでのように事務作業を行うだけの行政書士だと将来性は低いと考えられます。
将来行政書士として生き残るには事務作業以外の高いスキルが必要となるのは間違いなさそうです。
ミドル世代の行政書士が今後生き残っていくためにはアンテナを張り巡らせると同時に、専門領域でのスキルを高める必要があります。
また、法律の専門家として広い知識が必要となり、これからの時代の先を読む力を持ち合わせていないといけません。

行政書士の転職事情

現在、行政書士の環境はいいとは言えず、年収1,000万円以上の行政書士は10人に1人だと言われています。
ほとんどの行政書士事務所の売上は1,000万円以下となっており、そこから経費を差引くため人材の雇用は難しいです。
とは言え、行政書士の転職は厳しいのかと言われれば、年収300万円くらいでもいいのであれば転職先は多いです。
実際にミドル世代の行政書士の求人は少ないとは言えず、収入にこだわらなければ比較的簡単に見つかりそうです。

ミドル世代の行政書士の転職先

では、50代60代のミドル世代の行政書士が転職するとなると、どういった転職先があるのでしょうか?

独立・開業

まず、ミドル世代ともなればそれまでに培った経験やスキルを活かし独立・開業という方法があります。
独立開業であれば、自分のライフスタイルに合った働き方ができます。
ミドル世代ともなると若い頃とは違い、肉体的にも精神的にも自身がなくなるかと思いますが、自分で事務所を開けば自分のペースで仕事ができますね。
ただ、事務所を開設するとなると事務所の家賃、電話やファックス、パソコン、机、コピー機などの事務用品など多額の初期投資が必要です。
ある程度クライアントが見つかり経営が安定するまでの間は事務所を借りず自宅を事務所にしている方も多いようですね。

また、前職を辞めいきなり独立・開業という方法でなくある程度自分が得意とする業務に携われる企業などに転職した後、現場で経験を積み独立・開業するミドル世代の行政書士も多いです。

行政書士事務所、行政書士法人

もう1つは行政書士事務所や行政書士法人への転職です。
行政書士事務所は複数の行政書士が共に事務所を運営しているため、それぞれが報酬を請求、受け取るという方式を取っています。
行政法人の方はと言うと、法人口座へ報酬が入り、所属している行政書士はその口座から給料を受け取る…という方式です。
ただ、これらの場合募集自体多くないということを理解しておきましょう。
実務経験を積むためにこれらに転職するという場合が多いですが、
いずれにせよ第一線で活躍している行政書士が多いため、経験を積ませてもらっているという謙虚な気持ちで働くことが重要です。
もちろん、ミドル世代ともなればそれまでの経験や知識が試されるでしょうし、新しいことを学ぶ強い意欲が必要になってきます。
もし、自分の得意な分野があるなら、その分野の業務を行っている転職先で働けば効率よく働けるかもしれません。

一般企業、地方公共団体

ミドル世代の行政書士が転職先として、一般企業や地方公共団体などがあります。
一般企業で行政書士として働く場合、さまざまな契約書の作成や許認可申請業務などを行う事が多いです。
ほとんどの場合総務部や法務部などに配属され、行政書士として業務を行っていきます。
ただ、この場合だと一般の社員と同じ給与となるため注意が必要です。

生涯行政書士として働くメリット

行政書士が転職を行い、生涯働き続けるメリットってなんなのでしょうか?

シニアライフが充実する

行政書士という仕事に定年はないため、定年後も行政書士としての知識やスキルを活かし社会貢献できれば、シニアライフの充実につながります。

自分にしかできない仕事ができる

また、行政書士の仕事は一般的なサラリーマンとは違い、業務が数万種類もあると言われています。
たとえば、契約書作成や許認可申請などの昔からある業務の他に、まだ未知の分野も多いので、生涯やりがいを持って仕事が続けられます。
行政書士の仕事の業務範囲は広いので、自分のスキルや経験を高めていくことができ、業務の中でさらに専門分野の知見を深め、さまざまな行政書士たちとのつながりを持ては、可能性は無限大と言えるかと思います。

どこででも独立開業できる

行政書士は他の士業などと比べて独立開業しやすいのが特徴です。
その理由は行政書士資格試験で学ぶ内容が実務に直結していることが挙げられます。
さらに、独立開業する場合に基本的な事務用品さえ揃えるだけでできることも挙げられます。
自宅で開業できるのは行政書士の強みかもしれませんね。

ミドル世代の行政書士が転職する際の注意点

では、ミドル世代の行政書士が転職する場合に注意するべき点とはどういうことなのでしょうか?
ミドル世代の行政書士が転職する場合、まずは知り合いの行政書士事務所に当たってみること、別の士業の知り合いに当たってみるのがおすすめです。
また、最近多いのが人材紹介業の立ち上げ時の外国人雇用に関する役所関係の業務です。
ほとんどの企業が面倒だと思っているところを狙えば、行政書士として働くニーズがあるはずです。
多くの行政書士事務所はそういった案件について一から教育する余裕はないため、ミドル世代の行政書士のような即戦力の人材を求めています。
即戦力として採用してもらえるためには何が必要か?何を身につけておけばいいのかを理解した上で行動し準備しておきましょう。

いっぽうで、独立・開業したいと思っている場合は非常に注意が必要です。
行政書士として独立開業しても、3年位内に半数が廃業すると言われているほど厳しい世界です。
そのため、独立する前に自分自身の営業力や強みとなる主業務についてしっかりと把握し準備しておかねばなりません。
また、行政書士として独立開業するということは行政書士としてのスキルだけでなく起業家としての知識や経験、スキルも必要です。
自分にそれらが備わっているかどうか今一度考えてみることも重要ですね。

まとめ

行政書士の将来性や転職先にはどういったところがあるのか、転職する際の注意点などをまとめてみました。
行政書士の仕事をAIが取って代わるなどと言われたりしますが、自分にしかできない業務、強みなどがあれば将来にわたり行政書士として活躍できるのは間違いないでしょう。
生涯行政書士として働き続けるなら、どういう働き方をしたいか、自分の強みは何か?など今一度じっくりと見つめて見ていただきたいです!

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