はじめに
ミドルシニア世代の診療放射線技師の方は定年後の再就職は可能なのか、活躍の場はあるのか、気になるのではないでしょうか?
そもそも、診療放射線技師とは医療現場で放射線を扱う仕事で、レントゲンやMRI検査以外にも、CT検査や血管造影検査、マンモグラフィ、超音波検査、骨密度検査、血管造影検査…など、さまざまな治療や検査に関わる重要な仕事です。
ここではそんな、診療放射線技師の将来性や定年後再就職先する場合のポイントについてまとめてみます!
診療放射線技師の将来性
ただ、定年後の再就職を考える場合、診療放射線技師の将来性について知っておくべきです。
最近、診療放射線技師の資格を取得できる大学や専門学校が増えています。
そのため、診療放射線技師の数が増えることから就職が難しそうですが、実際は診療放射線技師が新たに関わる業務内容が拡大する法律が制定されたため、医療現場での需要は高まりそうです。
また、大学などの教育機関が増えることで教員や研究施設、企業などに就職する診療放射線技師も増えており、さまざまな活躍の場が生まれています。
医療施設などでは毎年のように通年採用を計画的に行なっており、規模の拡大や人材の活性化を行う施設なども多いため、安定的に求人募集があるようです。
また、診療放射線技師の業務の拡大や健診ニーズの高まりによって、医療機関だけでなく一般企業たとえば、医療機器メーカーなどへ就職する診療放射線技師も多いです。
つまり、これまでは医療機関だけが診療放射線技師の就職先や転職先と思われてきましたが、見方を変えてみると就職や転職が比較的しやすい職業と言えるでしょう。
わが国では少子高齢化がますます増えることから、診療放射線技師のなり手が減少するのは目に見えていることから、就職や転職に有利で将来性の高い職業だと言っていいかと思います。
診療放射線技師が活躍できる場
では、診療放射線技師が定年後再就職して活躍できる場にはどういうところがあるんでしょうか?
具体的な活躍の場を挙げてみたいと思います!
医療機関
診療放射線技師のほとんどは医療機関で働いており、たとえば、国公立病院や私立病院などでさまざまな診療科の医師と連携を図りつつ検査を行なっています。
また、個人病院などのクリニックだとMRI検査やCT検査、レントゲン検査などの検査を1人で担当することもありますし、事務作業を行うこともあります。
専門分野のみならずさまざまな分野へ対応できることが要求されます。
健診機関に再就職する場合だと、マンモグラフィや胸部X線検査、胃透視検査、骨密度検査などの検査を担当し、学校や企業などに健診車で出向いて行うことが多いです。
医療関連企業
また、診療放射線技師の定年後の再就職先として医療機関以外にも医療関連企業などがあります。
たとえば、MRIやCT装置などを取り扱う医療機器関連企業では診療放射線についての専門的な知識が必要となるため、こういった企業からの需要が見込めます。
なお、仕事内容としては医療機関とやり取りし製品の開発に当たったり、医療機器を導入した現場での取り扱い方の説明などを行なったりするようです。
放射線を扱う企業や団体
診療放射線技師の定年後の再就職に、医療とは無関係の放射線についての技能や知識を必要とする企業や団体で仕事をするという選択肢もあります。
たとえば、電力会社や原子力発電所などがありますが、こういった現場では放射線の測定や非破壊検査などを行うことが多いです。
こう見てみると、診療放射線技師はさまざまな場で長く働くことが可能な仕事だということが分かります。
ただ、若い頃のように当直など時間外の対応は体力的に負担がかかるため、厳しいかと思います。
医療機関によっては役職や年齢により夜勤が免除されるところも多いですが、少人数で対応している医療機関だと夜勤の免除がないところも多いです。
そういう場合は上司や同僚、部下などとコミュニケーションを図り円滑な人間関係を築き協力し合える環境づくりが大切になるでしょう。
診療放射線技師が定年後の再就職を有利にするには
では、診療放射線技師が定年後も働く場合に再就職を有利にするにはどうすればいいんでしょうか?
資格を取得する
他の職種では資格を取得したところで転職や再就職の役に立たないことが多いですが、診療放射線技師の場合だと資格を取れば取るほど有利になります。
たとえば、どんな資格を取得すれば有利になるかと言いますと、
1.第一種放射線取扱主任者
この資格は原子力発電所での放射線を安全に管理するための業務や特殊業務が可能となる資格です。
2.健診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師
この資格はマンモグラフィの検査について一定の基準以上の技術や知識があると認定されます。
3.血管造影・インターベンション専門診療放射線技士
血管造影やカテーテル挿入治療などについて高度な専門知識を有すると認められます。
4.MRI専門技術者
MRIについての専門性が高いと認められる資格です。
5.核医学専門技師
核医学検査に関して高度な専門知識を有すると認められます。
6.救急撮影認定技師
1~3次救急医療に関して対応可能な技師と認められます。
7.医学物理士
放射線医学の課題に携わり、医学や医療の発展に貢献できる人物と認定されます。
…などがあり、他にも核医学専門棋士や放射線治療専門放射線技師などの資格があれば再就職の際有利です。
特におすすめなのがマンモグラフィ撮影認定診療放射線技師。
最近メディアなどで乳がんについて取り上げられる機会が増えたことなどから、乳がん検査を受診する方が増えています。
そのため、女性の診療放射線技師の需要が高まっており、ミドルシニア世代の女性の診療放射線技師の方はぜひ資格を取得しておくといいでしょう。
また、がん検診に力を入れている医療機関や施設が増えていることから、胃がん検査に必要な胃がん検診専門棋士や肺がんCT検診認定技師…など、専門的な資格を取っておくことをオススメします。
大切なのは定年後の再就職先をどういったところにするかにより、有利となる資格が変わってくることです。
しっかりと見極めた上で資格に向け勉強するようにしましょう。
転職エージェントを活用する
また、ミドルシニア世代が定年後再就職するとなった場合、転職サイトでなく転職エージェントを活用することをおすすめします。
転職サイトには診療放射線技師の再就職先の医療機関や施設などの情報が掲載されていますので、さまざまな情報が得られます。
ただ、それらの情報が公開されているだけなので、どの求人が自分に合うのかまでは分かりません。
また、再就職先とのやり取りや手続きまでやってはくれません。
いっぽうで、転職エージェントの方はと言うと、どの再就職先がおすすめなのか、履歴書の添削や条件のすり合わせ、面接対策…など、全て無料で利用できます。
自分に合う転職先を探す時間や自信もない、再就職先との条件交渉を行えるかどうか不安…という方でも転職エージェントなら安心ですね。
まとめ
診療放射線技師の将来性や、定年後再就職する場合のポイントなどをまとめてみました。
診療放射線技師という仕事は将来的に需要が見込める仕事であるものの、他に資格を取得しておいたほうが再就職する場合により有利です。
ミドルシニア世代の診療放射線技師の方はぜひ今後の参考になさってみてください!