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保育 転職のノウハウ

保育士を目指す人は幅広く子育てを終えた50代の人もいます。

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はじめに
保育士を目指す人は幅広く子育てを終えた50代の人もいます。子どもと関わる仕事になりますので体力はいる仕事になりますが、何歳になっても仕事に出来るのが保育士の特徴です。今回、この記事では保育士を目指す人に対して、資格の取得方法について説明していき、それぞれのメリット・デメリットについて紹介していきます。

保育士を取得する方法

保育士の資格を取得する方法としては「大学を卒業する方法」と「保育士試験の合格する方法」の2種類がありますので一つずつ説明していきます。

保育士養成学校に入り卒業する

保育士養成学校とは「学校を卒業したと同時」に保育士資格を取得できる学校のことです。種類としては4年生の大学、短期大学、専門学校が一般的になっています。勉強する期間としては2年以上と定められており、通信や夜間・定時制の場合は3年以上学ばないといけません。

保育士養成校の特徴としては、どの学校であっても保育士としての専門知識が学べるだけでなく英語・数学といった教養科目も学ぶことができます。この他にも、保育実習が必修科目となっているので、在学中に保育の現場を経験することも可能です。

学校に通うことになるので、切磋琢磨しあえる仲間が見つかり、保育士としても良い経験なるでしょう。

4年生大学は保育以外の選択の幅が広がる

4年制大学は、在籍期間が他の養成校と比べて長いため、保育士資格を取る時間にも余裕があり、その分知識を深く掘り下げて学ぶことができたり、保育士以外の資格を取得することも可能です。大学にもよりますが4年間で400万前後のお金が必要になります。

また、4年制大学は将来への選択肢の幅が広がります。教員免許・社会福祉・臨床心理士など保育に関係する深い資格を取得こともできますし、もし保育ではなく他の仕事に興味が出てきたとしても、他学部への編入や、一般企業への就職もしやすいのは大きなメリットと言えるでしょう。

短期大学は独自のコネクションがある

短期大学の場合は最短2年勉強をすれば保育士資格を取ることが可能なので、短期間集中して学びたい人におすすめです。

在学中は教養科目・実技科目・専門科目を学べるのはもちろん、実習なども行うことになりますので、朝から夜まで授業を行うことも少なくはありません。余裕を持って学びたい場合は3年生コースもあるので、検討するのも一つです。4年制大学よりも学費が安く2年間でかかる費用は200万前後となっています。

また、地域と積極的に交流している短期大学もあり、在籍することで就職に有利になる可能性もあります。
伝統校や地域密着型の学校では、一部の保育施設や地域からの信頼も厚いので、直接求人がくる場合も多いです。独自のコネクションは総合大学にはない魅力で、これ目当てで入ってくる人も多いです。

専門学校は保育士になることに特化している
短期大学と同様に2年か3年の就学が必要になり、費用もそこまで変わりません。専門学校の特徴は保育士になる為の実践的なカリキュラムが多く、短期大学や4年制大学に比べると実践的な知識を得ることが可能です。また昼は併設している保育園で働き夜は専門学校で学ぶ「保育園併設校」などもあります。

ただし、専門学校の学歴は「専門士」となり保育以外の分野ではなかなか評価されないこともあるので「保育士以外の道を進むかもしれない」と思う場合は4年制大学・短期大学の方が良いでしょう。

国家試験を受けて合格をする

学校以外に保育士の資格を取得する方法としては「保育士試験」という国家試験を受けて全教科合格すればなれます。

試験には2種類あり「筆記試験」と「実技試験」があり、まずは筆記試験の全科目を合格をすれば実技試験を受けることが可能です。

実技試験は「音楽表現に関する技術」「造形表現に関する技術」「言語表現に関する技術」のうち2分野を選ぶ必要があり、音楽表現はピアノ・造形表現は絵画・言語表現は絵本の読み聞かせになることが多いです。

その為、どれが自分は得意なのかしっかりと考えて選んだ方が良いでしょう。ただ、保育園で働く場合はピアノはほぼ必須になるので「音楽表現に関する技術」を選ぶと良いかもしれません。

近年は保育士不足により、ピアノが少しぐらい出来なくても合格にするところも増えているので、苦手でも挑戦してみる価値は十分にあります。

ちなみに筆記試験は
保育原理
教育原理及び社会的養護
児童家庭福祉
社会福祉
保育の心理学
子どもの保健
子どもの食と栄養
保育実習理論
の8科目です。

養成学校のメリット

次に保育士の養成学校にメリットについて紹介していきます。

卒業すれば保育士の資格が取れる

やはり一番のメリットは「卒業をすれば保育士の資格を取得できること」です。もちろん保育士の資格を取得するための科目はありますが、大学に通いしっかりと勉強すれば単位を取ることが可能。

時間はかかるかもしれませんが、確実に保育士の資格を取りたいのであれば、専門学校・短期大学に通って取る方がメリットは大きいでしょう。

実技科目・実習があるので経験を積める

保育士に必要なスキルはピアノによる「音楽表現」や絵画による「造形表現」などたくさんあります。養成学校に行けば、実技などの授業があるので、現場に出てもある程度のスキルを持っているため安心できるでしょう。

また、養成学校では保育園の実習が必須になっていますので、現場の経験を少しでも得ることが可能です。実践的な座学だけでなく、現場での経験・練習を重ねることで上達をしていき、実際に働くときに少しでも不安を減らすことが可能なのが養成学校のメリットと言えるでしょう。

また養成学校に通えば、たくさん練習できるので、保育士の中で一番頭を悩まさせる「ピアノ」なども上達しやすいです。

就職のサポートを受けられる

養成学校に入学すれば、その学校の就職に関わるサポートを受けることができます。面接の練習や保育士としてのキャリアについて学ぶことができたり、公務員保育士を目指している人には試験対策の口座を開催しているところもあります。

先ほども紹介した通り、地域と密着している短期大学などであれば学校に直接求人が来ていることもあり、就職活動を行う時の大きなメリットになるでしょう。

「就職サポートなんて必要ない」と思う方もいるかもしれませんが、面接時に何を聞かれるのか、どのように答えていけばいいのかなどしっかりとアドバイスをくれます。

また、学校OBのいる保育園に面接に行くときは、面接の対策などを記録に残していることもあるので、対策しやすくなりますので、受けて損はないといってもいいでしょう。

養成学校のデメリット

次に養成学校のデメリットについて紹介していきます。

学費が高い/h3>
4年制・2年制に通うにしても200万~400万、場合によってはそれ以上の費用がかかります。決して安い金額ではありませんので「今から大学に行って、保育士の資格を取ろう!」と思っても、すぐに用意できる金額ではないでしょう。

奨学金・教育ローンという手もありますが、あくまでも「お金を借りる」ため、卒業後にしっかりと返すあてがなく、ただ曖昧に「保育士の仕事をしながら返そう」だと返済が滞ってしまう可能性があるのであまりおすすめはしません。

資格取得まで時間がかかる

卒業と同時に確実に保育士の資格を取得することができるのは大きなメリットですが、学校に通う場合は最低2年間は勉強しないと行けません。

独学で保育士試験を受ける場合は早い方で1年もかからずに資格を取得することができるが可能です。学校に通って資格を取りたい人は、しっかりと勉強をしたい、仲間を作って切磋琢磨して行きたいという方には向いていますが、短い期間で集中して資格を取りたいと思う方には向いていないといえるでしょう。

保育士試験のメリット

養成学校のメリット・デメリットについて説明しました。資格取得までに時間がかかるが、卒業と同時に保育士の資格を取得できるのが大きなメリット。では、保育士試験のメリットについて紹介していきましょう。

学校と比べて費用がかからない

保育士試験で資格取得を目指す場合のメリットは養成学校と比べて費用がかからないことです。
4年制・2年制大学に通えば、200万~400万程度のお金が必要になってきますが、保育士試験の場合は受験料とテキスト代のみとなります。

もし、教材選びなどに悩んでしまった場合は通信講座などがありますので、資料を請求してみるのも良いでしょう。。それでも学校似通うよりは比較的、安くなりますので経済的な面で学校に行けない人にはおすすめです。

時間に追われる心配がない

養成学校に通う場合は週5回・2年以上、朝から夕方まで通学をしなければなりません。また保育実習などがありますので、家事や仕事をしている人にとっては現実的ではありませんし、出来たとしても常に時間に追われてしまいます。

しかし、保育士試験であれば自分のペースで資格取得を目指すことが可能です。短い期間で集中して取りたいのであれば3か月の学習期間で取ることもできますし、3年かけてゆっくりと取得しても問題ありません。
※合格した筆記試験はその年を含めて3年まで有効な為

試験は筆記試験が4月・10月、実技が6月~7月・12月に行われます。学習を始める期間は人それぞれですが「家事や子育てをしながら保育士を目指したい」「働きながら勉強したい」など自分のライフスタイルに合わせて保育士試験にチャレンジできるのは大きな魅力と言えるでしょう。

保育士試験のデメリット

次に保育士試験のデメリットについて紹介していきます。

国家試験なので難易度は高い

保育士の試験は「国家試験」になりますので、決して簡単に合格できるわけではありません。

合格率としては毎年10%~20%前後を推移しています。

試験実施年 受験者数 合格者数 合格率
平成26年 51,257人 9,894人 19.30%
平成27年 57,301人 12,962人 22.62%
平成28年 70,710人 18,229人 25.78%
平成29年 62,555人 13,511人 21.60%
平成30年 68,388人 13,500人 19.74%

保育士試験の合格率が低い理由としては下記が考えられます。

①筆記試験の9科目を全て6割以上取らないといけない

②筆記試験の社会的養護と教育原理の両方は合格しないといけない
※この2科目は難しく難易度が高い

③上記の2科目を含めて毎年3科目のレベルが突出して難しい

保育士試験の最大の難関は9科目を全て6割以上取らないといけないことで、レベルは毎年変わってくるので、去年の問題が参考になりません。その為、6割ギリギリ取れる得点で挑んでしまうと、その科目は落ちてしまう可能性が高くなります。

養成学校に通えば、卒業後に確実に保育士の資格を貰えますが保育士試験はこれだけの科目を一定以上のレベルで理解しないといけないのは一つのデメリットと言えるでしょう。

実践的な勉強はできない

養成学校に行けば、保育実習が必須となっていますが保育士試験の場合は現場を経験しないで資格を取得することが可能です。

その為、実際に働いてみると思っていた仕事と違っていたなんてこともあるかもしれません。保育士は子どもと関わるだけが仕事ではありません。設定保育の準備、ちょっとした洗濯や洗い物、保育日誌の書き物、保護者対応などたくさんの仕事があります。

また、保育の現場では「先輩が横についてしっかりと教えてくれる」ことは基本的になく、働いたその日から自分で考え、動いていかなければなりません。

子どもとあまり関わったことがなくても、即戦力を求められる保育園では戸惑ってしまう可能性もあるでしょう。

まとめ

保育士の資格取得方法について紹介しましたがいかがでしたか?養成学校に通って取得を目指す場合は、卒業と同時に保育士の資格を取れるところが大きなメリットではありますが、学費が高く、また時間の融通がつけることができない人には難しい選択肢と言えるでしょう。

保育士試験で資格を取る場合は自分の融通がきくので「働きながら」や「家事の合間」に勉強することができ、費用も学校に通うよりは安く済みます。また、国家試験になりますので、難易度は難しく学校みたいに「2年頑張れば絶対に取れる」という保証はありませんので、自分の頑張り次第になります。

ただし、体力さえあれば、年齢関係なく働ける仕事なので「保育士を目指したいけどもう遅いかな?」と思わずに、これからの新しい道としてチャレンジしてみてください。

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