はじめに
シルバー人材センターとは高齢者が働くことを通して生きがいを感じると同時に地域社会を活性化するための組織で、基本的に市区町村単位で設置されています。
都道府県知事から指定を受けた社団法人であり、それぞれのシルバー人材センターは独立運営を行っています。
老後の生活に必要なお金って?
最近、老後に必要なお金は2,000万円というのが話題となりましたが、定年後の生活を過ごすために必要なお金は年々増えつつあります。
60歳以上の無職の高齢者世帯に対する家計調査によれば、毎月6万円赤字となっており、これを補うのは貯蓄を取り崩す場合がほとんどです。
もし、65歳で仕事を辞め85歳まで生きるとなれば、20年もの間貯蓄を取り崩さねばなりません。
そうなると6万円×12ヶ月が20年となり、合計で1,440万円必要という計算になります。
さらに、住宅ローンを完済している世帯の割合が高くなっているため、残債がある場合は住宅ローンの残りを払ったり賃貸にお住まいの場合は家賃の負担があります。
また、持ち家だとリフォーム代などもかかってきます。
すると、最低でも2~3,000万円程度の貯蓄が必要となってきます。
ただ、この額がさらに必要になるのでは?と最近言われつつあります。
わが国では結婚する年齢が遅くなっており、子どもを生む年齢も遅くなっていることから、退職後に子どもの教育費がかかるピークがやってくる世帯が多いからです。
さらに、日本人の平均寿命が伸びているので、医療費も以前より多くなっています。
そうなると、老後の生活に必要なお金は4~5,000万円、あるいはそれ以上ということになってしまいます。
シルバー人材センターとは
老後の資金を貯蓄で取り崩すという他に、老後も働き続けるという考え方もあります。
そんな時シルバー人材センターを利用すれば、仕事を見つけることができます。
そんな、シルバー人材センターとは一体どういうものなのでしょうか?
シルバー人材センターとは地域の高齢者が長年にわたり培ってきた経験や知識を活かし、自分の済む地域と連携し共に働き助け合っていくことを目指しています。
それにより、高齢者自らが生活能力を見出し家族や地域社会に活力を生み出せば、地域社会の活性化につながるという考え方があります。
働くための能力や意欲のある高齢者なら、誰でもシルバー人材センターに登録できます。
つまり、シルバー人材センターは高齢期の生活を積極的に行い、社会参加することで生きがいを見出すための組織です。
シルバー人材センターが行っている事業
シルバー人材センターが行っている事業は短期的、臨時的な仕事を官公庁や事業所、家庭などから依頼されシルバー人材センターに登録している会員が能力やスキル、希望に応じ働く仕組みとなっています。
また、雇用契約に基づいて就業するのではなく、請負、委任契約によって会員の自主性を重んじて行われています。
シルバー人材センターでの仕事の収入はどのくらいか?
シルバー人材センターに登録し働くとなると、実際にどのくらいの収入になるのか気になるところです。
また、仕事中にけがをしたら保険はどうなるのか?についても気になりますよね?
シルバー人材センターで働く場合、分配金という形で仕事の内容に合わせて支払われると決まっています。
シルバー人材センターは生きがいを得るために就業するのが目的ですので、一定の収入が保証されているわけではありません。
たとえば、月に8~10日働いた場合、おおよそですが3~5万円程度の収入になるそうです。
ちなみに、この配分金を受け取っても年金は受け取ることができます。
ただ、配分金を受け取ると雑所得に当たるため場合によっては確定申告が必要となります。
さらに、仕事中にけがをしたり、発注者に対する損害に備損害保険に入っているため安心です。
また、ボランティア活動やサークル活動なども行っており、さまざまな指定宿泊施設に割引利用できる特典などもあります。
シルバー人材センターの仕事内容
シルバー人材センターに登録し仕事をする場合、どういう仕事があるのでしょうか?
シルバー人材センターが請け負っている仕事の内容や短期的、臨時的、その他の軽易な仕事と決まっており、具体的に言うと、一般事務、大工仕事、宛名書き、家庭教師、通訳、庭木の剪定、建物の管理、草刈り、家事代行…などという具合に、いわば便利屋さんという感じです。
シルバー人材センターで働くメリット
シニアにとってシルバー人材センターに登録し働くメリットは自分の中年の人生経験で得たスキルを活かし能力やライフスタイルに合わせて働けること、社会貢献できることなどがあります。
実際にシルバー人材センターに登録している高齢者に対するアンケート結果に、生きがいが得られた、健康になったなどの毎日の生活にメリットがあると書かれていたり、社会貢献に役立っていると社会とのつながりが得られたというものもあるようです。
シルバー人材センターに入会するには
では、実際にシルバー人材センターに入会するにはどうすればいいのでしょうか?
お住まいの市区町村のシルバー人材センターに入会することになります。
原則的に60歳以上で健康で働く意欲のある方、シルバー人材センターの趣旨に賛同できる方が入会できます。
入会説明を受けたら入会申込書に記入し提出し、理事会での入会承認を受けます。
その後、会費を支払う…という流れです。
シルバー人材センターで働く以外の方法も!
シルバー人材センターに入会し仕事をするという方法もおすすめですが、それ以外に働く方法にどういうものがあるんでしょうか?
資格を取得し仕事を探す
老後、有利に就職し収入をできるだけ多く得るには資格取得がおすすめ。
たとえば、宅地建物取引士や司法書士、税理士などの国家資格を取得すればかなり有利に仕事が探せます。
国家資格を保有していないと採用されない職場の場合、必ず取っておかねばなりません。
他に民間資格として語学に関する資格やケアマネジャー、認定心理士などがあればかなり有利です。
資格の中には自宅で開業する際に役立つものも多いですね。
求人サイトで探す
最近では求人サイトでもシニア向けのものもあります。
たとえば、製造業や飲食店、販売店など接客業を始め警備や夜間スタッフなどさまざまなものが掲載されているので、チェックしてみるといいでしょう。
どの求人もシニア世代に向けたものばかりなので、自分の年齢を気にすることもありません。
在宅や派遣の仕事を探す
また、最近では在宅や派遣という働き方もあります。
老後は体力的にもきついのでフルタイムより自分のペースで働く方が多いです。
また、在宅や派遣なら企業で働くより採用されやすいのもメリットですね。
在宅で働く場合はクラウドソーシングサービスを選ぶのがおすすめです。
誰でも登録すれば在宅でさまざまな仕事ができます。
ご自分がどういう働き方をしたいのか、今一度じっくりと考えてみましょう。
まとめ
シルバー人材センターとはどういうところか、仕事内容や収入などについて、また、シルバー人材センター以外で仕事を見つける方法などもご紹介しました。
現在、人生100年時代と言われる中で65歳で仕事を辞めるとなれば、その後の生活は年金だけでは不安です。
もちろん、預貯金を切り崩すという方法もありますが、健康なら自分の生活のためにも社会のためにも働き続けるという選択肢もあります。
ぜひ、定年後働き続ける場合にシルバー人材センターへの登録を検討してみてくださいね!