はじめに
2級建築施工管理技士の仕事は建築工事の現場で監督業務や現場管理業務に携わるもので、その具体的な内容はあまり知られていませんが、建築の分野で責任者の役割を担うことのできる重要な仕事です。
ここではそんな、2級建築施工管理技士の具体的な仕事内容や将来性、シニアの方が2級建築施工管理技士として転職する場合におさえておきたいポイントなどをお教えしますのでご参考になさってみてください。
建築施工管理技士とは
建築施工管理技士とは建築現場の管理や進行、監督などを行う仕事で建築現場でなくてはならない存在です。
建築施工管理技士の求人を見ていると、「施工管理、現場監督募集」などと書かれているのを目にしますが、仕事内容はどう違うのかと思われる方も多いかと思います。
明確に分けるとするなら、現場監督は工事の現場を監督するのが主な仕事で、いわば現場の司令官の役割を担う仕事だと言っていいでしょう。
いっぽうで、施工管理は工事に関わるもの全てを管理する仕事と言うことができます。
たとえば、工事予算の作成や施工計画、安全管理、書類作成など工事に関するもの全てに携わる仕事のことです。
また、建築施工管理技士と現場監督では国家資格を保有しているかどうかが違います。
建築施工管理として働く場合は建築施工管理技士の国家資格を保有していなければなりません。
受験には実務経験が必要となるため、ほとんどの方は建設会社やゼネコン、工務店、ハウスメーカーなどで技術者として働き経験を積んだ後、スキルアップのため国家試験を取得することがほとんどです。
2級の他に上級資格として1級建築施工管理技士という資格が存在し、1級は扱うことが可能な建設現場に制限がないと同時に担当業務に制限もないのが2級との大きな違いです。
2級建築施工管理技士の仕事内容
では、2級建築施工管理技士の具体的な仕事内容について見ていきましょう。
そもそも、2級建築施工管理技士の仕事内容は大きく分けて4つあります。
工程管理、品質管理、建築管理、安全管理ですね。
ただ、あくまでもこれは決められた内容にすぎず、実際は現場で日々さまざまな業務をこなす必要があります。
常に安全面にも気を配る必要がある仕事ですが、同時に非常にやりがいのある仕事と言っていいでしょう。
2級建築施工管理技士の将来性
シニア世代の方が2級建築施工管理技士の資格を取り転職したいと思った時、将来性はどうなのか、需要はどうなのか気になるかと思います。
2級建築施工管理技士の将来性は実際のところ、あるんでしょうか?
現在、わが国では東京オリンピックの開催や震災復興事業の需要増加…など、建設業界の受注状況は活発化しています。
しかも、復興事業についてはまだまだ追いついておらず、都心部などでは商業施設やマンション、ホテルなどの建設や再開発が続くと考えられます。
さらに、既存のビルや商業施設の修復工事などの需要もあり、業界全体の需要は高まるばかりです。
長期的な視点で見ても、わが国のインフラ設備の老朽化は深刻な状態を迎えています。
わが国のインフラ設備は集中的に高度成長期に作られたものばかりで、橋やトンネル、道路など建設されて50年を越えようとしています。
そのため、修理や修繕が急務となっており、将来的に大きな市場になるのは間違いなさそうです。
さらに、わが国の建設技術のレベルの高さは世界的にも認められており、この技術を海外のさまざまな国々へ輸出しようとする動きも出てきています。
このような建設業界の動きの中で深刻化しているのが人材不足の問題で、需要は高まる中、現場で働く人材は不足するいっぽうです。
つまり、2級建築施工管理技士の資格があればシニア世代であっても十分に活躍できる可能性があり、転職するメリットはあるかと思います。
さらに、より上位資格を取得しておけば将来性は広がりますし、さまざまなゼネコンでも中途採用を募集している状況のため効率よく活動すればより好条件の転職先を見つけることができそうです。
2級建築施工管理技士の資格を取得していれば、中高年でも転職しても十分やっていける魅力的な仕事だと言えるでしょう。
2級建築施工管理技士に向いている人
では、具体的にどのような人が2級建築施工管理技士に向いているのでしょうか?
一般的に、2級建築施工管理技士に向いている人は応用力のある人だと言えます。
建築現場では日々の天候などで工程通りに作業が進むとは限りません。
そのため、どうすれば納期に間に合わせることができるのか、柔軟に対応できる人が求められます。
さらに、コミュニケーション能力の高い人も向いています。
建設現場では多くの職人さんが仕事をしており、日々さまざまな職種の人と関わります。
そのため、そういったさまざまな人たちとコミュニケーションを取る必要があるため、コミュニケーション能力は必要不可欠だと考えます。
つまり、応用力とコミュニケーション能力が高い方が2級建築施工管理技士の仕事に向いているということになりますね。
シニア世代が2級建築施工管理技士として転職する際の注意点
2級建築施工管理技士の将来性や向いている人について分かったところで、シニア世代が2級建築施工管理技士として転職する際、どういうことに気をつければいいんでしょうか?
自分にとって譲れない条件を整理する
転職を考える際、だれにでも譲れない条件というのがあるかと思います。
ただ、この条件というのは人それぞれ違っており、自分にとってどうしても譲れないものはなんなのか優先順位をつけ整理することが大切です。
たとえば、2級建築施工管理技士として転職する場合だとインフラ工事に携わる場合、長期間泊まり込まねばならないこともあります。
そうなると、家族と一緒に過ごす時間は激減します。
もし、自分自身の譲れない条件が「家族と過ごす時間」であれば、こういった現場で働くことはできません。
いっぽうで、収入面を最優先するならば、残業代や休日出勤代が出るようなゼネコンなどの求人を探すのも手です。
つまり、自分にとって優先順位はなんなのかを明確にし、整理した上で転職先を探すことが大切なんですね。
履歴書作成にも気を配る
2級建築施工管理技士として転職する場合、大前提として書類選考に通過しなければなりません。
書類選考で履歴書の内容は非常に重要視されているため、きれいな文字で書くのはもちろんのこと、誤字脱字は要チェックです。
志望動機や他に保有している資格があるか、特技など、自己アピールは熱意のこもったものを書きましょう。
2級建築施工管理技士の仕事は計画性やコミュニケーションスキルを求められるので、そういった点をアピールするといいかもしれません。
職務履歴書にも気を配りましょう。
これまでどのようなプロジェクトに関わってきたのかなど、詳しく書いておきます。
より具体的な内容を記載した方が書類選考に通過しやすいのは当然です。
たとえば、建築物の規模や種類、工期、現場の様子やトラブルが起きた場合にどう対処したのか…など、ていねいに書いておけば、面接官の印象もよくなるはずです。
面接時の注意点
面接でも十分に注意を払いましょう。
重要なのは志望動機の答え方です。
面接官にとって志望動機の答え方は非常に印象を左右するため、きちんと準備し備えましょう。
言うまでもなく、「この仕事がしたい」というのは当たり前の志望動機で、重要なのはなぜその転職希望先で働きたいか?ということなのです。
具体的に、「多くの案件を受注されているので自分もぜひチャレンジしたい」「受注されているプロジェクトに可能性を感じるためぜひ仕事をさせてもらいたい」など、希望する転職先に合わせた的確な答えを準備しましょう。
また、当然ですが、転職の理由を聞かれたらネガティブな答えはやめましょう。
たとえば、前の職場の上司の悪口を言ったり、収入面で不満があった点などですね。
答えはポジティブなものにした方が当然印象はよくなるので、ポジティブな答えを用意しておきましょう。
転職のプロのサポートを受ける
どんなことでも、素人とは違いプロはプロにしかないスキルや人脈を持っており、転職についても同じです。
2級建築施工管理技士として転職する場合にもさまざまな求人があり、特に人気の好条件、高待遇の求人は転職エージェントが応募者を厳選するため非公開情報として持っている場合が多いです。
また、転職エージェントに登録すれば、キャリアアドバイザーと呼ばれるプロが応募書類をより魅力的に作成する方法などの転職に関わるノウハウを使って的確な転職のサポートをしてくれます。
転職エージェントのサービスには転職先との条件交渉も含まれます。
転職エージェントの中には建築施工管理技士に特化したものや、シニア世代に特化したものなどさまざまなものがあり、質の高いサポートや情報を得ることができます。
自分自身で転職先と条件交渉をするより、キャリアアドバイザーのようなプロに任せた方がうまくいくに決まっていますよね?
若い人が転職活動するならともかく、シニア世代ともなると転職活動を行うにも精神的、肉体的負担が大きいかと思いますので、ぜひこういった転職エージェントを有効活用していただきたいです。
まとめ
2級建築施工管理技士の仕事内容や将来性、シニア世代の方が2級建築施工管理技士として転職する際の注意点などをまとめてみました。
わが国の現在の状況からすれば、2級建築施工管理技士の需要は高まると考えてよさそうです。
中高年の方であっても、転職して2級建築施工管理技士の仕事を長く続けることは可能だと考えます。
ただ、1人で転職活動するとなると情報の量や転職のノウハウなどの面で難しい面も出てくるでしょう。
ぜひ、転職エージェントを有効活用していただき、うまく転職していただければと思います。