はじめに
現在、わが国のほとんどの企業が定年退職の年齢を60歳に設定しています。
中には65歳まで引き上げているところもありますが、全ての人がその年齢まで働けるとは限っていません。
定年後生活を送るのに年金が頼りになるものの、支給は65歳からですし、そもそも年金だけで生活できるかどうか分からない方が多いです。
ここではシニアが転職し再就職する際の心得をお教えしたいと思います。
定年後の再就職についてお考えの方のお役に立てばと思います。
シニアが再就職する際の心得
気持ちを切り替える
シニアが転職し再就職する際に重要なことは前職のことを引きずらず、新しい気持ちに切り替えることです。
転職の理由はさまざまでしょうが、リストラや勤務先の倒産などの場合だと前職に未練があるまま転職活動を行う場合もあるでしょう。
ですが、きっぱりと気持ちを切り替え再就職先を探すことが大切で、心機一転前向きに転職活動を始めましょう。
無理をしない
シニアにもなれば、若い時とは違い体力的にもかなり衰えてきます。
若い人と同じことができるはずもなく、無理することは禁物です。
特に肉体的にハードな仕事の場合、パートやアルバイトで働くことも視野に入れておきましょう。
家計の収支を計算しておく
ほとんどのシニアの再就職の理由は生活費を稼ぐことかと思います。
そのため、年金収入、ローン、医療費、家賃など全ての収支をしっかりと計算し、再就職でいくらの収入が必要か計算しておきましょう。
長期戦になることを覚悟しておく
シニアが転職し再就職するまでの期間は3ヶ月程度が一般的です。
ただ、年齢が上がれば上がるほど、その期間が長くなるのは予想がつきます。
時間がかかるのは当たり前…と覚悟し、決して焦ることなくじっくりと再就職先を探すようにしましょう。
幻想は捨て自分で動く
シニアが転職し再就職先を探す場合、前職と同じ程度の収入が得られるという幻想は捨てるようにしましょう。
転職を成功させるのに大切なのはコミュニケーション能力で、自分でなんでもこなそうとする人ほど再就職先が見つかりやすいと言われています。
その際に、人材紹介会社などからさまざまな転職に関する情報を聞き出そうとする人はうまくいかないです。
たとえば、人材紹介会社に配属先はどんなところか、希望する転職先の経営状態はいいか、どんな会社なのか…などと必要以上に情報を得ようとする人もいますが、そういう人はなかなか決まらないようです。
再就職先がすぐに決まるタイプの人は転職先の会社名などの情報だけを知り、あとは自分で経営状態や組織、主力商品などを調べる傾向があります。
今やネットでどんな情報でも得られる環境にあるため、自分自身で必要な再就職先の情報を集めて、決断するのは簡単です。
あくまで自分は商品の1つであり、転職先の企業は顧客なので自己分析がしっかりとできる人ほど自分という商品を売り込むことができるんですね。
優先順位をはっきりしておく
また、転職活動を行うにあたり、はっきりしておくべきことは優先順位です。
たとえば、やりがいのある仕事ができるのなら正社員など雇用形態にこだわらないとか、収入が下がってもいいから仕事がしたい…など、自分にとって優先順位をはっきりさせておけば転職先の選択肢は広がるはずですよ。
さまざまな働き方があることを知っておく
シニアにとって再就職先で正社員として働くのは難しいものの、パートやアルバイトの求人は増えています。
その理由は若い人の人口が減り続けているため、若い人に代わりとなる人材が必要とされているからです。
さらに、働き方も多様化しており、現在複数の仕事をかけもちしている人の数は過去最高となっていて、パソコンを使って在宅で仕事をする人も増えるいっぽうです。
つまり、正社員という働き方にこだわることなく、さまざまな働き方があることを受け入れることがシニアが再就職先を見つけるのに大切だということです。
再就職を有利にすすめるには
資格を取得する
さて、シニアが転職し再就職するための心得をご紹介しましたが、少しでも再就職を有利に進めるには資格取得がおすすめです。
民間の資格としてはTOEICがあります。
英語の資格として知名度が高く、再就職先の幅も広がるはずです。
英語が得意な方はぜひ取得しておくといいでしょう。
さらに、おすすめの民間資格にMOSがあります。
この資格はMicrosoft Office Specialistを略したもので、パソコンの資格の中で最も知名度が高いです。
パソコンのスキルが高いと在宅で割のいい仕事をすることもできますし、ぜひ取っておくといい資格の1つです。
国家資格でシニアの転職を有利にするものとしてマンション管理士があります。
この資格はさまざまなマンションのトラブルをサポートする資格で、独立したりマンションの管理会社に再就職する際に有利です。
また、宅建の資格を取得していれば転職に有利になることもあります。
宅建の資格は不動産の賃貸や売買を行う上で必要なもので、国家資格の中でも合格率が15パーセントと高くなっています。
この宅建と先にご紹介したマンション管理士の資格の2つがあれば、転職が有利になる可能性が高いです。
さらに、電気主任技術者の中で第三種電気主任技術者を取得するのもオススメ。
ちなみに、電気主任技術者は第一種から第三種まであり、難易度がもっとも低いのが第三種です。
第三種の資格があれば、ビルなどの高圧電気の保全、管理などの仕事に就きやすいので、体力的に自身のないシニアの方におすすめです。
履歴書や面接の準備をしっかりと
そもそも、シニアが転職するとなると、採用率がかなり下がることを覚悟する必要があり、狭き門であることは間違いありません。
転職先を探す方法としてネットの求人サイト、求人雑誌、知り合いのコネやハローワークなど、あらゆる手段を使って探し応募することが大前提です。
あまり妥協しすぎるのも考えものですが、労力を惜しみ受け身になったところで、得られるものは何もありません。
もちろん、転職サイトは複数登録し、プロの手を借りて積極的に転職活動を行いましょう。
特に、自分の経歴や経験、スキルを活かせそうもないと思うような再就職先であっても、採用される場合があるので前向きに考えることが大切です。
前職の業種にとらわれることなく、柔軟性を持ち与えられたチャンスを活かせば、選択肢が広がるはずです。
履歴書や面接の準備はしっかりと
また、履歴書を選ぶ場合、シニアに適したフォーマットのものを選び、証明写真はきちんと写真館で撮影したものを選びましょう。
これらはシニアが再就職先を見つけるスタートラインに立つための最低限の準備です。
履歴書なんてなんでもいいなどと思わず、きちんと準備することが大切です。
次に、面接ですが、自分の経歴ややる気をアピールする機会ではなく会社のために何ができるか具体的に提案するための場だと考えて臨みましょう。
もし、面接する企業が経験のない職種であっても、会社に貢献するためのノウハウやスキル、経験があることをアピールすることが大切です。
まとめ
シニアが転職し再就職先を探す際の心得や有利に進めるための方法などをご紹介しました。
シニアは若い世代と違って、再就職先を見つけるのは簡単ではありません。
ぜひ、転職先を探す場合はここでご紹介した心得を踏まえた上で、積極的に転職活動を行っていただければと思います。