高齢者、60を超えたあたりからそう言われるようになった。
長年勤めた会社もあと1年で定年になる。風が強い日も、雨が土砂降りの日も毎日毎日電車に揺られ会社に通い働いた。
長年働く中で、もちろん嫌な事もしんどい事もあったが不思議と仕事自体を辞めたいと思った事は一度も無かった。
振り返った時にそれ以上に、やりがいや達成感があったからだと思うし、なりより家族を支えている、自分が身の粉にして頑張っているという自負があったからだろう。
仕事以外の趣味は特に持たず、女房からは楽しみを持ってと言われ、ある人からは面白みの無い人だと揶揄された事もあった。
しかし、仕事にプライドを持っていた私はその日常に特に不満はなかった。朝仕事に行き、昼は妻が作ってくれたお弁当を食べ、夜は同僚と一杯の酒を飲み交わす。
休日といえば、仕事の資料を見返し、自己研鑽に励む。そのありふれた日常に満足していた。その暮らしの中で子育ても楽しめた。
先に趣味は無いと書いたが、あえて趣味はと聞かれれば子育てかもしれはい。日に日に大きくなりたくましくなる子供の姿を見て、嬉しく思うもどんどん手を離れて独り立ちする背中を見るとどこか寂しい気持ちもある。
そして、2人の子供が独立し残された今、妻と2人ゆっくり老後を過ごすのも良いかとよく考える。
しかし私は声を大にして言いたい。高齢者が働くのもいいのでは。老人が働く事は生きがいにしてもいいのではと。
もちろん、認知能力や、作業スピードは落ちているであろう。しかし、大袈裟でもなく私は働く事によって、人の役に立つ事によって、社会の歯車の一つになる事によって、生きがいを感じていた。
だからこそ、今までの人生経験を生かして、私は働く事に決めた。この歳で転職活動を始めることに決めた。笑うやつは笑えばいい。私は、生涯一働き人なのだ。
高齢者になっても、転職できるはず
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