はじめに
50代の言語聴覚士(Speech Therapist)の方で転職を検討されている方や、未経験から言語聴覚士への転職をお考えの方も多いかとおもいます。
ただ、ネットなどで「50代での転職は厳しい」などと書かれているのを見ると、無理だと諦めてしまうケースがほとんどかと思います。
しかも、言語聴覚士の仕事は事務職などとは違い、転職についての情報がそこまで多くないため、不安になる気持ちも分かります。
そこで、ここでは50代のシニア世代の言語聴覚士が転職できるのか、注意するべき点などについても解説します。
転職をお考えの中高年の言語聴覚士の方のお役に立てればと思います!
言語聴覚士の資格を取るには
そもそも、言語聴覚士の資格を取得するにはどうすればいいんでしょうか?
言語聴覚士は国家資格の1つで、試験を受けるまでに技能や知識がないといけません。
受験するための方法には2つあり、4年制大学を卒業後指定の大学や言語聴覚士養成学校などを卒業するか、高校を卒業後文部大臣指定の大学、都道府県知事指定の専修学校へ進学する方法です。
言語聴覚士の仕事内容
その前に、未経験から言語聴覚士への転職をお考えの方のために、言語聴覚士の仕事内容について見てみましょう。
具体的にどのような仕事なのでしょうか?
言語聴覚士の仕事は基本的に患者さんが聞いたり、話したりする機能を回復させるためのリハビリを行う仕事です。
聞いたり、話したりなどスムーズに行えない原因に、認知症や言語障害、精神的な要因…など、さまざまなものがあります。
日常生活を送る上でうまく聞いたり話したりできないと、悪影響が出てきてしまい、人とのコミュニケーションが困難になります。
このような障がいに対するリハビリには呼吸や発音を練習したり、文字や絵を使ったり、口の訓練…などがあります。
他にも、食べたり、飲み込んだり…などのリハビリのサポートをしたりもします。
言語聴覚士の活躍の場
では、次に言語聴覚士が活躍できる場にはどのようなところがあるんでしょうか?
医療機関
言語聴覚士が最も活躍している場と言えば、医療機関かと思います。
大きな病院だとリハビリ科で患者さんのリハビリを行ったり、食べたり飲んだりに関するリハビリのサポートをします。
また、リハビリセンターやリハビリ専門病院などでも活躍している言語聴覚士は多いですし、耳鼻科など個人クリニックで働く方もいます。
また、高齢化社会が進む中、在宅でリハビリする方も増えていることから、自宅を訪問しリハビリをする場合も多いです。
介護、福祉施設
また、最近言語聴覚士が活躍する場として多いのが介護や福祉施設などです。
たとえば、老人介護施設や障がい者支援施設などで、食べたり飲んだりするのが難しい高齢者や障がいをお持ちの方などに対し、リハビリを行っています。
中でも、高齢者の場合食べたものが器官につまってしまうと、誤嚥性肺炎を起こしてしまうため、非常に重要な役割を担っています。
また、飲んだり食べたりだけでなく発声についてのリハビリも行います。
児童関連施設
また、言語聴覚士はお子さんに関するさまざまな施設でも活躍できます。
たとえば、児童相談所や養護学校、ろう学校…などがありますね。
こういった施設では耳に障がいがあったり、会話がしづらいお子さんに対し、うまく意思疎通できるようリハビリやサポートを行っています。
さらに、児童のご家族の悩みごとを聞いたり、アドバイスしたりなどもしています。
教育の分野ではほかにも、さまざまな研究を行う言語聴覚士も多いです。
50代でも言語聴覚士として転職可能?
では、実際に50代のシニア世代でも言語聴覚士として転職することって可能なんでしょうか?
最近、在宅でのリハビリの必要性が高まっており、医療機関で治療が終わり自宅に帰った患者さんをサポートするため、言語聴覚士の存在が重要視されるようになりました。
ただ、ほとんどの言語聴覚士は医療機関で勤務しているので、退院後のサポートに手が回らない状態です。
そのため、今後在宅でのリハビリが推し進められれば、今よりさらに自宅や介護施設などで過ごす方が増えると考えられます。
このような在宅でのリハビリを必要とする方のサポートのためにも、訪問ステーションや通所リハビリステーションなどでの言語聴覚士の需要は高まっていくことが予想されますね。
また、わが国では高齢者の人口が今後ますます増えていくと予想されています。
そのため、高齢者に起こりがちな摂食、嚥下障がいや老人性の難聴、認知症によるコミュニケーション障がい…などで悩む方も増えるでしょう。
このようなお悩みを抱える方のサポートを行う、言語聴覚士のニーズはますます高まるのは当然と言えば当然です。
ということから考えても、言語聴覚士の将来性は高く需要がなくなることは考えられません。
50代のシニア世代であっても、言語聴覚士が転職することは可能だと言ってよさそうです。
言語聴覚士に向いている人とは
言語聴覚士として転職したいとは思っていても、本当に自分に向いているかどうか分からない…という方のために、言語聴覚士に向いている人とはどのような人なのか具体的にご紹介します。
相手の求めることが見極められる
言語聴覚士は患者さんが日常生活をスムーズに送ることができるよう、リハビリによりサポートする仕事です。
そのため、患者さんだけでなくその家族との会話などを通じ、相手がどんなことを求めているのか、何に悩んでいるのか…など、敏感に察知し見極める力が要求されます。
コミュニケーション能力が高い
介護や福祉に関する仕事はどれもそうですが、コミュニケーションが必要不可欠です。
言語聴覚士として働く上でコミュニケーション能力を発揮する場面は多く、患者さんだけでなくその家族、施設のスタッフなどとのコミュニケーションは非常に重要です。
特に患者さんに対するコミュニケーションには気を配る必要があり、コミュニケーションなしに言語聴覚士として働くのは難しいかもしれません。
向上心がある
50代のシニア世代であっても、国家試験に合格すればなることができますが、言語聴覚士になった後も継続して学び続けなければなりません。
言語聴覚士の仕事は脳に関する仕事だと言ってもいいほど、脳について勉強が必要です。
向上心を持ち、定期的にセミナーや勉強会などに参加し、最新の情報を集め患者さんのためにスキルアップするという向上心が必要です。
高い協調性
また、言語聴覚士は専門性を要求される仕事とは言え、1人でリハビリを行うというものではありません。
他の医療スタッフや介護スタッフなどと協力し合い、スムーズにリハビリを行わなければなりません。
それぞれのスタッフが持つ専門性を出し合いながら、協力し合ってリハビリを行うことで患者さんのサポートを行っていきます。
協調性がないと、務まらない仕事だということですね。
50代の言語聴覚士が転職する際の注意点
ただ、20代や30代などの若い世代とは違い、50代のシニア世代の言語聴覚士が転職する場合、注意すべき点があります。
この点をしっかりおさえておかないと、うまく転職できるものもできません。
では、どのようなことに注意すればいいんでしょうか?
転職の条件をはっきりさせる
転職すると決めたら、転職の条件を明確にすることが大前提です。
たとえば、次のような条件についてはっきりと確認しておきましょう。
待遇面を確認する
求人に書かれていることを見て、給与や休日、福利厚生、勤務地などを確認します。
職場の雰囲気などを知っておく
転職エージェントのコンサルタントに聞いたり、職場を見学させてもらうなどし、人間関係や雰囲気を確認しましょう。
仕事内容をチェックする
求人の記載事項や会社の公式サイトなどをチェックし仕事内容を確認しておきます。
転職エージェントを活用する
50代の中高年の言語聴覚士が転職する際、転職エージェントを活用することが大切です。
転職エージェントはさまざまな職場のデータなどを持っており、自分では知り得ない情報などを持っているからです。
転職したはいいものの、転職後「こんなはずじゃなかった…」とならないよう、前もって情報を集めておきたいところです。
その上で求人に応募すれば、転職後のミスマッチを防ぐことができますね!
また、転職エージェントならコンサルタントに効率のいい求人の見つけ方や情報の集め方などを教えてもらえます。
しかも、利用するのにお金がかからないのはうれしいですよね?
大手の転職エージェントであれば、悪条件の職場を紹介させられることもないため安心して転職活動を遅れます。
さらに、転職エージェントを活用するポイントに複数利用するというのがあります。
実際に、1つだけでなく複数の転職エージェントを利用した方が転職の成功率がアップするというデータがあるほどです。
他にも、転職エージェントのメリットには次のようなものがあります。
1.親身になって転職のサポートがしてもらえる
2.履歴書や職務履歴書の作成や添削などのサポート
3.なんでも相談に乗ってもらえる
4.希望する条件に合った求人を探してもらえる
そもそも、言語聴覚士の求人自体一般の職種より少ないので、。自分1人で転職先を探すのは難しいです。
転職エージェントに登録していれば、効率よく転職先が見つかるかと思います。
まとめ
50代のシニア世代であっても言語聴覚士として転職は可能なのかどうか、どういう人が言語聴覚士に向いているのか…など、具体的に解説してきました。
言語聴覚士は今後ますますニーズが高まる専門性の高い仕事です。
そのため、50代の中高年であっても資格を取得すれば転職することは十分に可能だと考えます。
ただ、1人で転職活動を進めていくのは難しいかと思いますので、ぜひ転職エージェントなどをうまく活用しプロの手を借りながら進めていただければと思います!