目次
はじめに
一般住宅や商店、工場やビル…などの電気設備工事を行うためには電気工事士の資格がないと工事ができません。
この電気工事士の資格には第一種と第二種があり、扱える仕事内容は違っています。
ここでは第一種電気工事士の仕事内容や将来性、シニア世代の第一種電気工事士がスムーズに転職する方法についてもお教えします。
第一種電気工事士の仕事内容
第一種電気工事士の主な仕事に建築電気工事があります。
この仕事は建築現場での電気工事全てを指し、業務内容もさまざまですし、仕事をする場所も広範囲です。
第一種電気工事士の資格があると、一般住宅や店舗などの電気工事の他に、工場や病院、変電所などで仕事をすることも可能です。
電気工事が大規模になればなるほど現場で作業する人の数も増えますが、第一種電気工事士の仕事は1人で作業することはなく、チームとなり効率よく作業を進めていく必要があります。
しかも、他の建設作業と同時進行になることがほとんどで、工事施工責任者や現場監督などの指示に従い工事が進行します。
また、第一種電気工事士の仕事に鉄道電気工事があります。
日本の鉄道は世界でも最高の水準とまで言われていますが、鉄道を支える重要な仕事の1つでもあります。
ただ、鉄道電気工事が行われるのは夜間のことが多いのが特徴です。
鉄道電気工事では鉄道が正確に運行するだけでなく、信号機や変電所なども正常に作動するよう作業を行います。
さらに、鉄道のさまざまな駅構内の電気工事なども第一種電気工事士の重要な仕事となっています。
第一種電気工事士の将来性
ここまででお分かりのとおり、第一種電気工事士の仕事はわれわれの生活になくてはならない仕事です。
ただ、将来性がどうなのか気になりますよね?
第一種電気工事士の将来性ってどうなんでしょうか?
わが国ではIT業界をはじめとしたさまざまな分野で、エネルギーの需要が増えており、新しいエネルギーの開発が進んでいます。
たとえば、太陽光発電や電気自動車などですね。
こういったものは全て電気工事がなくてはならないものばかりで、将来的に第一種電気工事士の需要は減るどころか増えることが予想されます。
さらに、東日本大震災や2020年に開催予定の東京オリンピック関連の建設工事など、建設工事の需要自体が増えているのが現状です。
また、既存の建物や設備の老朽化により補修や改修工事なども活発化しています。
電気工事関連会社の中には既存の工事の受注はなく、補修や改修のみというところもあるようです。
このような補修や改修に関する案件は将来的に増加すると予想されているため、第一種電気工事士の仕事がなくなることは考えられません。
つまり、将来性のある仕事だと言ってよさそうです。
第一種電気工事士の活躍の場
では、第一種電気工事士の資格があると、どのようなところで仕事ができるのか、転職してもやっていけるのか見てみましょう。
電気工事会社
第一種電気工事士が最も多く活躍する場として電気工事会社が挙げられます。
ただ、会社の規模により業務内容に差があり、小規模な電気工事会社だと店舗や一般住宅などの電気工事が主となります。
いっぽうで、大規模な会社だと工場や大型商業施設、ビルなどの工事に関わることができます。
電気工事会社の中には特定の業務に特化した会社もあるようです。
ほとんどの第一種電気工事士は資格を取得後、こういった電気工事会社で経験を積み、ステップアップしていくことが多いようですね。
建設会社
第一種電気工事士の中には建設会社で働く人も多いです。
建設会社が受注する工事は大規模なものが多く、それぞれの工程で専門のスキルや知識、経験を積んだ人たちが関わりますが、その中でも電気工事を受け持つのが第一種電気工事士の仕事です。
建設工事で第一種電気工事士の具体的な仕事内容は電気工事会社とほぼ同じですが、建設工事会社の方がより規模の大きな現場であることが多いです。
そのため、第一種電気工事士は電気工事だけでなく、それぞれの専門分野のプロたちとスムーズにコミュニケーションを取り連携していく必要があります。
建設工事会社で働くことでスキルアップにつながると同時に人脈の幅を広げることもできます。
鉄道会社
また、第一種電気工事士の活躍の場として鉄道会社があります。
わが国の鉄道は正確さに定評があり、ダイヤ通りに運行することで世界的にも知られています。
この鉄道を支える仕事として第一種電気工事士は重要な役割を担っています。
なお、鉄道会社での第一種電気工事士の仕事内容としては信号システムや架線、踏切などが正常に作動するための電気工事を行います。
第一種電気工事士のスキルを活かし、さまざまな配線や設備に携わる仕事です。
通信会社
第一種電気工事士の活躍の場としてケーブルテレビやネット回線関連会社があります。
この仕事は一般家庭や店舗などで回線工事を行うものですが、直接消費者と関わるためコミュニケーション能力が求められます。
通信会社の中には歩合制のところも多いため、高収入が期待できる場合も多いです。
ビルメンテナンス
ビルメンテナンスの現場でも第一種電気工事士として活躍することが可能です。
さまざまなビル設備の点検や作業などを行いますが、大規模な作業となる場合もあります。
工事というより保守管理作業が多いです。
第一種電気工事士の資格を取得するメリット
第一種電気工事士が活躍できる場をご紹介したところで、この資格を取得するとどのようなメリットがあるのか見てみたいとおもいます。
現場の主任者になれる
第一種電気工事士は工事の現場でさまざまな業務を行いますが、豊富な経験を活かし作業主任者として現場を任されることが多いです。
特に第一種電気工事士の資格が必要でない現場であっても、チームで作業を進める場合は第一種電気工事士が主任者として任命されチームをまとめていく必要があります。
つまり、第一種電気工事士の資格を保有しているということはそれだけ現場責任者としての需要があるということです。
求人を募集している企業の中には第一種電気工事士の資格が必要となる現場が多いのは事実です。
第一種電気工事士の資格があるということは即戦力として働けるとみなされていることがほとんどです。
第一種電気工事士が向いている人
では、第一種電気工事士が向いている人とはどのようなタイプの人なのでしょうか?
電気工事を行う際、危険に十分注意しなければならないため、慎重な性格でないといけません。
作業に慣れているからと言って、確認を怠ったり、作業手順を飛ばしたりすると、大事故が起こる可能性もあります。
なお、電気工事は国家資格を有する電気工事士だけに許されている仕事です。
作業の危険性と責任の重さを理解し、ていねいかつ慎重に仕事ができる人が第一種電気工事士の仕事に向いていると言えるでしょう。
忍耐強く仕事ができる人
第一種電気工事士は専門知識や技術を要する仕事ですので、安全に時間通りにコツコツと作業が進められる資質が必要です。
さまざまな作業に対し、集中力を保ちながら仕事ができる人が向いています。
さらに、作業の中で不明点や理解できないことがあったら、解決できるようモチベーションを持ち仕事ができる人でないといけません。
もちろん、屋外での作業も多く肉体的にきついこともあるでしょうが、その分依頼主に喜んでもらえるのは魅力です。
シニア世代の第一種電気工事士が転職の際に注意すべきこと
では、第一種電気工事士の資格を保有するシニア世代が転職する場合、どのようなことに気をつければいいんでしょうか?
転職サイトを利用する
中高年の方が転職する際、「休みが少ない」とか「年収アップさせたい」などの理由から転職を考えるかと思います。
このようなお悩みがあるなら、転職するベストタイミングだと考えてよさそうです。
その理由はわが国の施工管理の人材は減る一方で、転職することで現職より条件のいい収入の多い転職先が見つかる可能性が高いからです。
ただ、転職活動のやり方次第では現職より条件の悪い、収入の少ない転職先を選んでしまい失敗している人もいるようです。
転職に失敗する理由の1つに、適切な情報収集を行っていなかった…というのがあります。
条件や収入面でよりいい転職先があるのに、時間がない、忙しいなどの理由から適切な情報収集を行わず転職先を決めてしまうケースがあります。
そこでおすすめなのが転職サイトの活用です。
転職サイトを活用すれば、短時間で簡単に検索でき、現職より収入の高い転職先が探せますし、より職場環境のいい転職先を見つけることも可能です。
シニア世代が第一種電気工事士として転職活動を行うにあたり、転職サイトをぜひ利用していただきたいです。
転職エージェントの併用を
また、シニア世代が転職活動を行う場合、転職サイトだけでなく転職エージェントを並行して利用すべきです。
転職エージェントなら専門のアドバイザーが転職に関する相談に乗ってくれるだけでなく、履歴書作成のサポートや面接日の調整、転職先との交渉ごと…などの代行などを行ってくれます。
転職活動を行う場合、ほとんどの方が相談できる人がおらず悩んだり、不安になったりすることが多いです。
転職エージェントを活用すれば、そんな不安や心配ごとをアドバイザーが解決してくれるため精神的ストレスを軽減できます。
まとめ
第一種電気工事士の具体的な仕事内容や資格を取得するメリット、将来性や転職の際に注意すべきことをまとめてみました。
第一種電気工事士は国家資格であり、さまざまな活躍の場があります。
将来性も高いことから、シニア世代が第一種電気工事士として転職するメリットは多いかと思います。
ただ、1人で転職活動を行うのでなく、転職サイトや転職エージェントを活用し効率よく進めていただければと思います。