はじめに
中高年が転職を検討する際、「年齢的に正社員は無理かも…」とあきらめてしまうことが多いでしょう。
実際に、シニアが転職する場合正社員より非正規の方が採用される確率が高いですが、しっかりと対策をとれば正社員で転職することも可能です。
ここでは、老後の年金を多く得るためシニアが正社員で働くメリットや注意点などを解説します!
ぜひ、最後までお読みいただければと思います。
中高年の転職が難しい理由
転職市場で売り手が有利と言われる中で、若い人より中高年の方が転職が難しいのは事実です。
では、なぜ中高年の転職が難しいのでしょうか?
柔軟性が低いとみなされる
学校を卒業後長年同じ会社で働いているシニアの転職希望者に対してどの企業も前職のやり方を曲げないのでは?と思いがちです。
つまり、中高年は柔軟性にかけ頑固だと思われているのです。
転職希望者に対し、企業は第三者的なものの見方や考え方を求めているケースが多いです。
そのため、頭が固かったり柔軟性に欠けてしまうと転職は困難なのは間違いなさそうです。
また、新しい環境へ対応できる力も必要で、転職するとゼロからさまざまなことを学ぶため、自分よりずっと若い人から指導を受けることもあります。
企業からすれば、年齢や経歴があるゆえ「適応できないのでは?」と不安に思うようですね。
若い人より人件費がかさむ
中高年は年収がもっとも高くなる年代で、企業から見ると若い人と比べて人件費がかさむのがネックです。
そのため、ほとんどの企業では安い人件費で雇用できる若い人材を採用せざるを得ないのです。
成長性がない
一般的にほとんどの企業でシニア世代は若い世代より成長性がないと思われています。
若い人材の方が中高年より伸びしろが多いととらえるのは当たり前のことでしょう。
そのため、若い人材を採用しじっくりと育成し戦力としたいと思うのは当然です。
条件にこだわる人が多い
中高年の方のほとんどはポジションや年収にこだわることが多いです。
ほとんどの中高年には家族がいてマイホームのローンを抱えているケースがほとんどで、どうしても年収にこだわってしまうもの。
それがネックとなり、企業から敬遠されてしまうことが多くなります。
シニアが正社員で働くメリット
中高年がなんらかの理由で転職する場合、非正規だと正社員と比べてデメリットが多いです。
もし、特に理由がないのに非正規で働くことを検討している中高年の方は正社員で転職できる応募先を検討しましょう。
具体的に正社員で働くメリットとはどのようなものがあるんでしょうか?
安定した雇用が見込める
よほどの理由がない限り、正社員で働く場合解雇される可能性は低いです。
会社が倒産する、自己都合で退職する以外は継続的に働くことが可能です。
安定して収入が得られる
また、正社員で採用されれば収入が安定することもメリットです。
安定して収入が得られれば生活自体が安定します。
もし、正社員でなく非正規だった場合は勤務時間などによって給与が不安定となり、働く時間が少ないと給与が少なくなりますし、たくさん働けばそれだけ給与がもらえる…と不安定です。
いっぽうで、正社員の場合だと毎月決まった給与をもらうことができます。
出世の可能性がある
中高年が正社員として転職した場合、出世のチャンスを得ることができます。
転職直後であっても大きな仕事を成功させ出世したシニアもいます。
これまでの経験を活かしリーダーとして活躍したいという中高年にとってメリットが大きいです。
人間関係が築きやすい
正社員で採用されると、人脈が広がっていくため人間関係が築きやすく仕事やプライベートどちらでも長く付き合える友人関係を作ることができるのもメリットです。
転職に有利
万が一また転職となった場合も正社員として働いていたことは有利となります。
実際に、責任や立場において、非正規と正社員では区別されるのが現状です。
そのため、次転職する際も履歴書に非正規と書くより正社員と書くほうがメリットが大きいのは当然です。
つまり、正社員として働いてきたことはスキルの1つとして認められるということです。
社会的信用を得ることができる
正社員で働くということは中高年であってもクレジットカードを作ったり、なんらかのローンを組む時も審査に通りやすいです。
正社員は収入が安定しているとみなされるため、きちんと返済すると判断されるからでしょう。
福利厚生が手厚い
また、シニアが転職する際正社員だと、福利厚生が手厚いのがメリットです。
福利厚生として挙げられるものに住宅手当などの手当がありますが、正社員だとこれら手当を受けることができます。
老後の年金額が多い
シニアの方で老後の年金を多くもらうために正社員として転職したいという方は多いと思います。
実際に、非正規と正社員とでは老後の年金額がかなり違ってきます。
そもそも、正社員だと厚生年金に加入できるため年金の受給額が多いです。
いっぽうで、非正規の場合だと厚生年金に加入できず国民年金のみとなり年金額が少なくなってしまうのです。
厚生年金は国民年金の受給額より多くなっており、保険料のうち半分を勤務先が負担してくれるので国民年金と比べて受給額にかなりの差が出ます。
将来安定、安心して老後の生活を送るためにも正社員として転職を希望する中高年が多いのも納得できます。
シニアが正社員へ転職するには
シニアが老後の年金を多く得るため正社員として転職を成功させるにはどうすればいいのでしょうか?
中小企業に絞って応募する
正社員として転職を成功させるには大企業でなく中小企業に絞って応募するというのも手です。
中小企業であれば、長年培った経験やスキルを持ったシニア層を求めている場合も多いです。
また、採用は非正規だったとしてもその後正社員へ登用されるケースもあります。
正社員への登用制度を導入することで助成金が受けられる制度があり、積極的に正社員登用を行っている中小企業は多いです。
ぜひ、大企業にこだわらず中小企業への応募を検討してみてはどうでしょうか?
自分の強みをアピールする
シニアが正社員として転職したい場合に重要なのは自分の強みを知り、アピールすることです。
中高年は年齢の分だけ若い人より経験を積みスキルや知識も豊富です。
これまで積んできた経験やスキルを明確にし、しっかりと強みをアピールするようにしましょう。
転職先企業への希望を明確にする
シニアが転職する歳、自分が応募先企業にどういう希望があるのかを明確にしましょう。
もし、明確にしないと転職に成功しても自分の希望とミスマッチとなり長く働けない場合があるからです。
応募先企業での条件面、たとえば、仕事内容や年収、待遇に関して十分に検討しましょう。
もちろん、ある程度の妥協は仕方ないですが転職活動を行う上でやっておかないと後悔することになるでしょう。
人脈を最大限に活用する
また、中高年が転職活動で求人を探す際、人脈を最大限に活用することも重要です。
中高年はこれまでの経験によりさまざまな人と関わりがあり人脈も広いはずです。
たとえば、学生時代の友人や前職の取引先などがありますね。
それらの人脈を活かすことで思いがけない転職先を紹介してもらえたり、好条件での転職が可能になることもあります。
自分にどのような人脈があるのか、今一度洗い出してみてはどうでしょうか?
中高年向けの転職サイトを利用しよう
中高年が正社員として転職を考える際、大手の転職サイトを利用するのも手ですが、中高年を対象とした求人を探すのは手間と時間がかかります。
最近では中高年に特化した転職サイトが増えており、そういったものを利用すれば中高年向けの求人の中から選ぶことができるため、効率的に転職先を探せます。
転職エージェントの活用を
中高年が正社員として転職を成功させるのにぜひ活用していただきたいのが転職エージェントです。
転職エージェントを活用する最大のメリットはキャリアアドバイザーにサポートしてもらえること。
1人で転職活動を続けていると不明点や不安なことがあっても相談する人がおらず右往左往しがちです。
ですが、キャリアアドバイザーに相談すれば、不安なことや不明なことが明確になり方向性がはっきりします。
また、転職エージェントは非公開求人が多数持っているため、そういった案件を紹介してもらうことも可能です。
複数の転職サービスを利用する
実際に、正社員として転職に成功した方に調査したところ、利用した転職サービスの数は4社以上だったそうです。
ということから考えても、中高年が正社員で転職するのに複数の転職サービスを利用することをおすすめします。
50歳以上はハローワークとの併用を
また、中高年でも50歳を過ぎてしまうと年齢を理由に登録できない転職エージェントが出てきます。
特に若い人向けに転職サービスを行っている場合だと紹介できる求人がないことを理由に、断られるケースがほとんどです。
そうなると、ハローワークに一本化して求人を探す考え方もありますが、ハローワークだけに頼るのも不安です。
そのため、ハローワークで求人を探しつつ転職サイトや転職エージェントを活用するのがベストです。
まとめ
シニアが正社員として転職に成功すれば、社会保険に加入できるため厚生年金に加入でき老後の年金額が増えます。
さらに、健康保険に加入できたり、福利厚生も手厚いなどさまざまなメリットがあります。
もちろん、中高年が転職する場合に非正規の方が転職しやすいのは当然ですし、自由度も高く責任の重さも違うため安易に考えがちですが、老後のことを考えるとかなり不安です。
将来のことをしっかりと考えた上で、どうすれば正社員として採用されるのか、どのようなことに注意すれば効率よく採用されるのか…など、今一度考えていただいた上で転職活動を行ってみてください。